04 馬上槍試合

 成年部の馬上槍試合は、盛り上がりに欠けた。


 それは観衆の多くが選手の奮闘よりも、キーリィ・ガブリフの真意と選挙の行方に関心を示したからにほかならない。


 例年ならば幼年部の試合前に会場の大半は空席になるが、ユウリスが甲冑かっちゅうに身を包む頃になっても人々が動く気配はなかった。


「いつもは子供の試合を観るのなんて、婦人か老人くらいらしいのに……今日はずいぶんと人が多いな。アルフレド、くじの結果は?」


「幸先が良いぞ、僕たちは第一試合だ。だがメディッチは最後の組にいる。奴に吠え面をかかせるには、決勝まで勝ちあがらなきゃいけない」


「おい、やるなら優勝を目指すって話だろ、忘れたのか?」


「う、うるさい。メディッチが決勝まで勝ち上がってくるかを心配しただけだ!」


 対戦の組み合わせを決めるくじは、代表者としてアルフレドが引いた。


 計十六名による勝ち抜きのトーナメント戦で、レイン家の二人は最初の試合から挑戦がはじまる。


 切っ先が壊れやすい竹槍で戦うとはいえ、馬の突進力で突き合えば命に関わる事故も少なくはない。


 例年は一桁の参加者しか集まらない大会だが、今年は豊作だ。


 厩舎きゅうしゃの広間で支度を進めたユウリスが、嘆息交じりに肩を竦める。


「優勝まで、最低でも四回は槍の突き合いをやるわけか。それで、記念すべき最初の相手は?」


製粉所せいふんじょのカロッソ兄弟だ。馬鹿でかい兄貴の方が槍持ちだぞ、無様に負けてくれるなよ」


「冬の森から帰ってきた豚だろ、楽勝だ。ミック、腕と槍止めを付けて」


「ひどいよユウリス、豚を悪口に使うなんて。あんなに可愛いくて美味しいのに」


 ランドロフと共に鎧の装着を手伝うミックが、不満そうに口を尖らせる。


 ユウリスの腕に装甲を嵌め、既に着込んでいる胸当てと槍止めを繋いだ。甲冑の部品は二十を超え、とてもひとりでは装備できない。


 騎手に武具の着用は認められておらず、アルフレドは乗馬用のズボンやブーツに着替えはじめた。


 リジィとロディーヌは馬の世話に勤しみ、リュネットは落ち着かない様子で他の参加者を睥睨している。


「リュネット、いまさら慌ててもしょうがない。大丈夫、必ず勝つよ」


 ユウリスが声をかけても、リュネットは鼻息荒く木の床に爪を立てるばかりだ。


「あぁ、もういっそゴリアスへドラゴン狩りにいったほうがよかったかしら」


「それ、絶対に俺は引き受けなかったからね……」


「なによ、ドラゴン・スレイヤーは人間の栄誉でしょ!」


「無茶言わないでよ……あ、始まるみたい」


 係員が試合開始までの時間を告げに現れると、広間は途端に騒然とした。特に最初の参加者であるユウリスは忙しなく準備に追われる。


「やっぱり鎧って動きにくいな……」


 間接の動作に妨げがないかを入念に確認し、窮屈な兜を被って穴と視界の位置を調整する。槍が万が一にも顔に当たれば大怪我だ。頭部の隙間は微かで、ひどく息苦しい。


「よし、いける。アルフレド!」


「僕に指図するな、ユウリス。こっちは完璧だ!」


 ユウリスとアルフレドは互いに頷きあい、厩舎の出口に歩きだした。馬はロディーヌが引き、ミックとランドロフ、リジィ、最後にリュネットも続く。


 審判が声を張り、幼い参加者たちを称えた。


「これより行われるは、若獅子わかじしたちの真剣勝負! 馬上槍試合、幼年の部である! 大人も臆する危険な競技に、自ら手を上げ踏み出した勇者たちに、さあ、いま、盛大な拍手を!」


 会場は、子供の試合とは思えないほどの大きな歓声に包まれた。キーリィと市長のやり取りが尾を引き、成年部の試合に集中できなかった大衆の鬱憤が、ここにきて爆発したらしい。


 熱気にいななく馬を、ロディーヌの柔らかな手つきが慰める。


 審判は腕を振るい、走路を示した。


 直線の道は左右を木の衝立に遮られ、正面から駆けてくる相手の馬と衝突を避ける配慮がなされている。


「馬に乗るのは二人。騎手と槍持ち。対戦者はそれぞれ会場の両端に構え、西を赤旗、東を青旗とする。障害物で隔てた走路の左右に馬を走らせ、互いがすれ違う瞬間に力強く槍を突き出すのだ。この際、槍がわずかでも相手の騎手に当たれば失格とする。見事に敵の槍持ちに命中し、穂先ほさきが砕けたら一点。計三度を駆け、点数の多い者を勝者とする。同点、あるいは相手の一撃で槍持ちが落馬した場合は即敗北となるので注意するように!」


 二人一組の参加を除けば、勝敗の規定も含めて成年の部と決まり事に相違はない。


 観客席からは、いまさら説明は不要だと野次が飛ぶ。


 負けじと罵声を返す審判を尻目に、アルフレドが先に騎乗した。ユウリスは義弟の後ろに跨り、ランドロフから受け取った槍の具合を確かめる。


 刃の部分は竹製で、最初から壊れやすい構造だ。


 心配そうに房毛を垂らしたロディーヌが、声を震わせる。


「旦那様、お願いだから怪我だけはしないでね」


「鎧も着ているし、大丈夫だよ。それに怪我をしても、優秀な看護師が控えているだろ?」


「もう、そういう冗談は嫌いよ。リジィさんにとびっきり沁みる薬草を調合してもらうんだから! ああ、旦那様、とうとう出番よ!」


 審判の腕が、西の出発点で息巻くカロッソ兄弟を示した。


「西の赤、カロッソ兄弟!」


 騎手の弟は年相応の体格だが、兄は大人顔負けの巨体だ。


 審判が、西の赤は口上を述べよ、と促した。


 客席で立ち上がったカロッソ兄弟の従兄弟が、二人を褒め称える文句を朗々と響かせる。


 兜をかちゃりと揺らしたユウリスは、あれ、と首を傾げた。


「あんなのあるんだ。アルフレド、こっちは誰がやるんだ?」


「……しまった、忘れてた。どうしよう、誰も用意してないぞ!」


「はあ⁉」


 青い顔で振り返るアルフレドに、ユウリスの陣営は混乱の渦に巻き込まれた。


 控えめな性格を理由にいち早く辞退したリジィとミックは、叫ぶくらいならできると開き直ったランドロフは頼りにならない。


 最後に矛先を向けられたロディーヌも、房毛といっしょに首を左右に振り乱して拒絶した。


 カロッソ兄弟を称える辞句がまばらな拍手で終わりを迎えると、審判の目は東側の対戦者を捉えた。


「続いて東の青、口上を述べよ!」


「こ、こうなったらユウリス、お前が行け。僕が許す。それしかない!」


「馬鹿言え、こっちは鎧を着ているんだ。アルフレドが行けよ!」


「僕に即興の言い回しなんて無理だ!」


「どうした東、口上を述べよ!」


 審判の追及と観客席のざわめきに、慌てふためくレイン家の二人――そんな様子を貴賓席から眺めていた女が、席を立つと同時に跳躍した。


 華麗にドレスを翻し、手摺に降り立つ令嬢。仮面を纏わぬ素顔のイライザ・レインが、舞台女優も顔負けの流麗な動作で人々を魅了する。


「幼き騎士道を貫くは運命の兄弟。騎手を勤めしは、火の女神の祝福と竜の加護を受けし金色の後継。槍を振るうは、女神の寵愛ちょうあいたまわりし嫌われ者の忌み子。共に往くは譲れぬ願いのため。金色の後継は大いなる自尊心を賭けて、忌みを祓う子は愛する淑女のため。火と水の舞踏ぶとうに敵う者なし。さあ、レイン家のアルフレドとユウリスの勇姿、ご照覧しょうらんあれ!」


 レイン家の才媛さいんうたい、会場が拍手喝采に沸く。この時ばかりは、ユウリスに忌み子と後ろ指を差す声も少ない。


 騎乗した両選手を係員が走路の開始地点に誘導し、審判の旗が雄々しく振り下ろされた。


「馬上槍試合、第一回戦、一合目、始め!」


 腹を蹴られた互いの馬が、緩やかに歩きだす。


 走路の距離は十分、アルフレドとカロッソ弟が同時に手綱を引いた。


 騎手が、ヤァ、と声を上げて馬を鼓舞し、鐙に乗る足で繰り返し体躯を叩く。


 沸騰した会場の雰囲気に呑まれた馬の気性は荒く、ユウリスは必死に呼吸を合わせる。


「大丈夫、いける、いける、いける!」


「ユウリス、落ちるなよ!」


「こっちは気にするな、そのまま行け!」


 土を抉る蹄は力強さを増し、加速と共に大きくなる振動が槍持ちの血を滾らせた。


 両者の距離が縮まり、障害物を挟んだ向かいに対戦者の姿が迫る。


 騎手が前傾姿勢で身を守り、二頭の馬が交差する一瞬――双方の槍が放たれた。


 ユウリスの慧眼けいがんが、刹那の攻防で光る。


「甘い!」


 力任せに払われたカロッソ兄の槍を、ユウリスの真っ直ぐな一撃が弾く。


「ハァッ!」


 襲い来る矛を柄で逸らした直後、さらにユウリスは自らの切っ先を相手の鎧に叩きつけた。槍を握った手に、たしかな衝撃が返る。


「よしっ!」


 先端の砕けた槍を掲げ、ユウリスは雄叫びを上げた。


 歓声と共に東の旗が上がると、姿勢を戻したアルフレドもぐっと拳を握り締める。


「僕の手綱さばきのおかげだぞ」


「こういうときくらい、素直に俺を褒めてもいいんだぞ?」


 二合目に向けて、両者が走路を引き返す。そのすれ違い様に、カロッソ兄弟が挑発的に声を荒らげた。


「レイン家の忌み子め、舐めた真似しやがって!」


「呪いをかけたな、卑怯者め!」


 中傷されたユウリスは歯牙にもかけずにやり過ごすが、しかしアルフレドが馬上から身を乗りだした。


「黙れよ、負け犬。お前らなんか眼中にないんだ。さっさと落馬しろ、馬鹿め!」


「アルフレド……」


「勘違いするなよ、お前のために怒ったんじゃない。忘れるな、これはレイン家の名誉をかけた戦いだ。お前が侮辱されると、僕まで罵られている気分だ」


「わかってるよ。いまさらアルフレドが俺に優しくなったら、怖いくらいだ」


 軽口を叩き合いながら東側に戻ると、ランドロフが次の槍を用意してくれた。カロッソ兄がずれた鎧を直す間、手持ち無沙汰のユウリスにリジィが声をかける。


「さっきのは、危なかった。一歩間違えたら相討ちよ。いい、カロッソは槍を振る前に脇を肘で叩く癖があるわ。練習のときから気になっていたけれど、本番でも同じみたい。仕草を見逃さないで」


「了解、ありがとう。アルフレド、他の敵もリジィに分析してもらえば楽勝だな」


「当たり前だ。リジィには葉の形で薬草を見分けられる観察眼があるんだ。お前みたいな凡人とは違うんだよ」


 ユウリスへの悪口ついでだが、アルフレドに褒められたリジィは顔を真っ赤にして俯いてしまう。ミック、ランドロフ、ロディーヌの応援と、リュネットの可愛らしい鳴き声に見送られ、レイン家の二人は再び馬を走路に向けた。


「馬上槍試合、第一回戦、二合目、始め!」


 審判の号令で、二頭の馬が再び疾走する。


 場内の熱気に慣れたせいか、鞍を通じて感じる揺れは激しくも規則正しい。


 迫りくる馬の呼吸が、互いの耳に届く。


 カロッソ兄が肘で甲冑を鳴らした瞬間、ユウリスは渾身の力で槍を突きだした。


「タァッ!」


 裂帛れっぱくの気合と、槍の砕ける音が重なる。


 獲物を振りかぶったカロッソ兄は、がら空きの胴体に強烈な一撃を受けて落馬した。馬上槍試合において、相手を落馬させて得る勝利は最高の栄誉だ。


 普段は忌み子と蔑む街の人々が、ユウリスの名前を熱狂的に叫ぶ。


 掲げられた青い旗が大きく振られ、赤い旗は地に投げ捨てられた。


「馬上槍試合、第一回戦、勝者は東の青!」


 審判の裁定がくだり、割れんばかりの歓声が場内を包み込む。


 賞賛の多くが試合の花形である槍持ちのユウリスに向けられると、騎手のアルフレドは面白くなさそうに口をへの字に曲げた。


「くそ、槍持ちは僕のはずだったのに」


 それでも馬を下りて仲間たちに祝福されると、アルフレドは満更ではなさそうに白い歯を見せた。


 馬を下りたユウリスに、ロディーヌが駆け寄る。


「旦那様、鎧は?」


「脱いだら着るのが面倒になるから、このままでいい。兜を外すのだけ手伝ってくれる?」


 ロディーヌに留め具を外してもらい、鉄面から解放されたユウリスの額は汗だくになっていた。秋の涼しい風が心地いいが、全身を襲う疲労感もすさまじい。


「あと三試合もあるのか。練習より全然きつい」


 弱音を吐いたユウリスだが、その快進撃は止まらない。


 続く二試合目は最初の撃ち合いで相手を落馬させると、三試合目は二本の旗をもぎ取り、順調に決勝へ駒を進めた。


 一方、宿敵メディッチも順調に勝ちあがり、仕上がりに隙はない。


 宿敵となった両組は、当初の想定通りに決勝を迎えた――アルフレドの名誉とリュネットの婚姻を賭けた運命の対決を前に、戦士たちには僅かな休憩時間が設けられた。


「旦那様、お水を」


 厩舎の長椅子に腰を落ち着けるユウリスに、ロディーヌがジョッキを差しだした。


 リジィはアルフレドの手首に薬草と包帯をあてがい、ミックとランドロフは馬の毛並みを整えている。


 じっと夕焼けの空を睨み据えていたリュネットが身を翻し、のどを潤していた少年の膝に跳躍した。


「いまのところペローの魔力は感じられないわ。坊や、相手の実力は本物よ。勝算はあるんでしょうね?」


「大丈夫。リジィが教えてくれたメディッチの癖は、頭に叩き込んである。それに貴賓席には教会の関係者もいるから、下手に魔術なんか使ったら失格になると思うけどな」


「妖精の魔術は、普通の人間じゃ見破れないわ。念のために、あたしの加護を与えてあげる。筋力を強化すれば、一撃で決められるはずよ!」


「それは駄目だ、リュネット。メディッチはこれまで、卑怯な手を使わずに勝ち進んできた。俺だけが不正を働くわけにはいかない」


 ユウリスは、ケット・シーの加勢を拒絶した。


 互いに正々堂々と戦い抜いているなか、片方が妖精の魔術に頼るのは邪道だと譲らない。しかしペローの花嫁になる可能性は万に一つでも摘み取りたいと願うリュネットが、しつこく食い下がる。


「決勝で向こうが魔術を使ってくる可能性もあるじゃない!」


 それでも少年は頑として首を縦に振らず、意見は平行線のまま変わらない。


「ああ、もう、このわからず屋。あたしがペローと結婚するはめになったら、どう責任を取るつもりよ⁉」


「見捨てるつもりはないけど、本を正せばリュネットが不用意な約束をしたのが原因だろ。卑怯な真似をして勝っても、君が後ろめたくなるだけだと思う。ここまで来たんだ、俺を信じてくれ。全力を尽くして、必ず勝つよ」


 真摯しんしな眼差しで勝利を約束する少年に、ケット・シーの胸がぎゅっと締め付けられた。


 沸き上がる気持ちは、不安や苛立ちではない。心地よい熱が全身を巡る感覚に痺れたリュネットは、視線を泳がせながら情けない声をこぼした。


「な、なんなのよ、なんであたしが人間なんかに……ああ、もう、約束、守りなさいよ。負けたらあたしを連れて、ペローから逃げてもらうからね。どこまでも付き合いなさいよ!」


「わかったよ、それくらいの覚悟で戦う」


 素直に頷くユウリスが憎らしいやら愛おしいやら、リュネットはひどく狼狽した。


 そんな白猫に対し、ロディーヌが注ぐ眼差しは冷ややかだ。


「ちょっとリュネット、なんだか旦那様に対する反応が最初の頃と違ってるんじゃないかしら?」


「は、はあ⁉ な、なに言ってるわけ⁉ お嬢ちゃんこそ、結婚を諦めたくせにいつまで旦那様呼びしてるのよ⁉」


「べ、別に、そんなの私の勝手じゃない。リュネットに指図される覚えはありません!」


「なによ!」


「そっちこそなによ!」


 最後の試合を前にして張り詰めていたユウリスも、花嫁二人のやり取りには失笑を禁じえない。


 不思議と心が軽くなる。


「俺、二人のこと大好きだよ」


「え、だ、旦那様!?」


「ちょ、な、なによ、坊や!?」


 思わず吐露とろした言葉に他意はない。


 それはユウリスの素直な気持ちだ。


 係員から決勝の開始が告げられた直後、闘志を漲らせたアルフレドの雄叫びが木霊する。


「レイン家に栄光あれ!」


 義弟おとうとの鼓舞に頷き、ユウリスも腰を上げた。


「俺もレイン家だ。やってやる」


 朱色に染まる国立乗馬公園の興奮は未だ冷めやらず、馬に跨る両選手を熱狂的な声援が出迎えた。


 西側では乗馬倶楽部の気鋭を騎手に、槍持ちのメディッチが意気揚々と槍を振り回す。


 招かれた吟遊詩人が最後の決戦に挑む二組を褒め称えると、続いて貴賓席のレイン公爵が全ての参加者に賛辞を送った。


 そしていよいよ、審判が中立の白旗が上げる。


「それではこれより馬上槍試合、幼年の部、決勝戦を開始する」

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