スライム一匹倒せない

　努力家で、ギルドランクSの騎士でありながら、スライム一匹倒せないことを理由にダンジョンのど真ん中でパーティーを追放された冒険者・ラック。彼は自らの力のなさを嘆きながら元来た道を引き返すが、やがて道に迷う。


　適当に歩く道すがら、彼は同じように別のパーティーを追放され同じように道に迷ったプリーストの銀髪少女・ユキに出会った。とりあえず揃って行動する2人だったが、やがてダンジョン最奥に辿り着き、ワイバーンに襲われ――。

「……あれ？　俺、何でワイバーンと『互角に』戦えてんだ？」

　スライムすら倒せないはずのラックは、どういうわけかワイバーンを相手取って互角に戦うことが出来ていた。
　頭に疑問符を浮かべながら剣を振るうラックに対し、彼に『鑑定』スキルを使用したユキが衝撃の事実を告げる。
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