追放されたSランクパーティのサモナー。転職して【テイマー】になるはずが女神の誤字のせいで【タイマー】になったので、最強の「時使い」になります
LA軍@多数書籍化(呪具師200万部!)
第1話「【サモナー】は、転職する」
カクヨムコンテストに、
※『のろま『タンク』と言われ馬鹿にされた「重戦士」───防御力をMAXにしたら「重戦車」(ティーガーⅠ)に進化した』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892378214
この作品に、
『☆☆☆』と『フォロー』ください!(ド直球)
─── 本編です ───
Sランクパーティ。
それは冒険者ギルドで認められた最強のパーティの証。
個々の実力だけでなく、それぞれが発揮する力が合わさりまさに『最強』と呼ばれる
そして、俺こと───【サモナー】のルビンが所属するパーティも、まさにその最強と称されるSランクパーティだった。
鉄壁の護りを誇る
人類最高峰の叡智を持つと称される
清らかな心を持ち聖女の地位にある教会の至宝───
ギルドの懐刀と噂される至高の
最後に、
優れた統率を誇る次代の勇者と称えられる
これが、冒険者史上───そして、歴代でも最強と謳われるSランクパーティ『
そして、今日!
このパーティは更なる高みを目指そうとしていた。
パーティが活動して貯めた経験値は並みの冒険者なら到達しえないLvに達しており、ついに伝説の神殿への到達を可能にしたのだ。
そう、ここは転職の神殿。
Sランクとして実績を積み、そして人類に貢献しえると判断されたパーティとメンバーだけが使用を許されるという希少な場所。
そこに、「
「ついに来たな……!」
「あぁ、念願の上級職への転職だぜ!」
リーダーのエリックが感極まって言うと、アルガスも感激して声をあげる。
そして、サティラとメイベルの女子二人はただただ感動して涙を流すのみ。
「で、でも、一人しか認められないんでしょ? 誰が転職するの?」
「サティラ。それはとっくに決めていたじゃない? ね」
興奮して顔を赤くしたサティラを慰めるように、メイベルが優しく頭を撫でる。
「あぁ、もう決めたことだ───俺たちはドラゴンを手に入れる。だろ?」
そう。
「
世界最強種のドラゴン───これをテイムするのだ!
そして、さらなら力を得てSランクの力を盤石とする。
「そうだ!」
「そうだね!」
「そうよ!」
そのためにも!
「ルビン!!」
「うん!」
エリックの力強い声にルビンが堂々と前に進み出る。
「サモナーの上級職である、【テイマー】。これになることができるのはお前しかいない───頼んだぞ」
「わ、わかった!」
長年組んで冒険を続けてきた信頼感。
それをエリックから感じたルビンは力強く頷いた。
神殿の兵士に案内され、パーティはルビンを先頭に奥へと進んでいく。
「すげぇ……これが神話の時代からあるっていう転職神殿」
「神々しい力を感じますね」
メンバーがそわそわしながら周囲を見回している中、ルビンは一人緊張していた。
なにせ、転職だ。
人が天より授かる『
そのうえ、慣れ親しんだ
「(……キウィ?)」
そっと、召喚獣を一体呼び出してみる。
すると、中空の魔法陣から美しい毛をした半透明のキツネが現れてルビンの足に纏わりつく。
偵察型の獣型召喚獣だ。
使い勝手がよく、ルビンによく懐いているため召喚することが多い。
「(もしかすると、お前ともこれでお別れかもな……)」
『きゅるるるる……』
ルビンの言わんとすることがわかったのか、キーウィはスリスリと頭を擦り付ける。
「おい、ルビン。今は無駄な力を使うなよ。転職神さまの前だぞ」
そう言われて立ち止まった時にはルビンたちの前には巨大な水晶があった。
「こ、これが転職神……」
パーティの誰かが言った言葉。
そこにはまさに神と称すべき姿があった。
水晶の中に浮かぶ美しい女性。
『はぁい、いらっしゃぁ~い』
気だるそうな声をあげるのは水晶の中の神さまだった。
彼女らは名乗らないが、一般的には『転職神』などと呼ばれている。
ルビンは、その気だるそうな神に呼ばれて、恐る恐る前にでる。
パーティのメンバーも緊張してガチガチだ。
『ちょっとぉ、早くしてよぉ───限定イベントはじまっちゃうんだからぁ』
(な、なんかヤル気のなさそうな人だな……あ、神さまか)
ルビンは前に進み出て神様をマジマジと観察する。
見た目は20代くらいの女性で、煽情的な格好をして水晶の向こうの空間でゴロンと寝ころんでいる。
そして、手には小さな箱のような物を持ちポチポチと操作している。
……こちらを見ようともしない。
「あ、あの。ど、どうすれば……?」
『ん~? そこぉ。水晶に触れてくれればぁ、こっちで情報見てぇ、決めるからぁ』
「は、はい」
ルビンは恐る恐る水晶に触れる。
『……ふ~ん、───貧乏貴族の男爵家。生まれは次男で、ルビン・タック君ね~』
え?
(俺、名前言ってないぞ……??)
アンニュイな雰囲気のまま、女神はゴロゴロとしながら面倒くさそうに答えている。
『剣術に馬術ぅ、魔法基礎に神聖学ねー。努力してるじゃ~ん? あ、転職だっけ? 入力するからぁ、申告してね~』
「は、はい!」
(にゅ、入力……?)
少し不安になってパーティを振り返ると、一瞬冷たい空気を感じたものの。
すぐに全員がニッコリ笑って頷いてくれた。
それに安堵してルビンはハッキリと告げた。
「【テイマー】を……。俺を【テイマー】にしてください」
『あいあ~ぃ。よっこらーせっと──────……あっ』
ルビンが水晶に触れてしばらくすると。
ぼやぁ……と、水晶に文字が現れる。
それが徐々に形を成していくのだが……。
今。『あっ』って、言ったか?
【テイマー】
文字がぼやけてよく見えないけど、確かにそう見える。
「おい、見ろよ! すげぇ……本当に、
「やったなルビン! ん? でもあれって……」
「テイマーなら今後も安泰ですね。王国の竜騎士団で引っ張りだこですし羨ましい……───あれれ?」
「な、なんですか? これは──」
周囲で見守っていた仲間たちがルビンが得た天職を見てざわついている。
そして、ルビンは……。
「や、やった。これで俺は【テイマー】に!」
仲間に……皆に貢献できる!
【
この世界に溢れている、様々魔物を使役できる珍しい職業だ。
ゴブリンにはじまり、果てはドラゴンまで。
冒険者パーティなら喉から手が出るほど欲しがる職業であり、
末は王立竜騎士団。またはギルドに入れば正職員は間違いなしの、人気の職業なのだ。
「───あ、ありがとう、神様!」
『あー……メンゴメンゴ。誤字っちゃった。ま、一文字だし、いんじゃね?───じゃぁね~』
そして、振り返りもせずに水晶の奥で小さな機械をポーチポチ……。
………………は?
「お、おい、見ろよ。あれ……、【テイマー】じゃないぜ?」
「な?! ほ、ほんとだ───って、【タイマー】ってなんだ?」
「新しい
ざわざわ
ざわざわ
「え…………?」
パーティのざわつきにルビンは恐る恐る顔をあげ、水晶に浮かんだ文字を確認する。
そこには───……。
【タイマー】
Sランクパーティのルビン・タック。
最強の【サモナー】であった彼は今日───【タイマー】になった。
──────↓あとがき↓───────
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※ お願いごと ※
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