第三十九話 ソリテールの指輪
その後――。
私は
体を
「よかった……ドリアードをやっつけたんだね」
ソニックに向かって言ったつもりだったのだけれども、どうやら彼はググと同じように眠っているようだった。
両腕を組んで
初めて見る彼の寝顔は、
ふと顔を上げてみると、ボロボロの
そうか……私はあのまま気を
図書館で借りて
「う~ん……うん? やっと起きたのか、ビクニ?」
私の動く
そして、
「それ食ったら
ソニックはそういうと小屋から出て行ってしまった。
昨日の夜、あれだけのことがあったというのにずいぶんあっさりというか、別に何もなかったみたいな
でも、もしかしたら
……いやいや、ないない。
あの
それから食事を
「キュウ……キュウ……」
気持ちよさそうに
その姿はやっぱり
ググはまだぐっすり眠っているようだし、起こしちゃ悪いと思ったから、このまま出発することにした。
まあ、ググの重さは
「お待たせ。もうこっちの
「そうか。じゃあ行くぞ」
そして、私たちは村を出た。
森の中、私の少し先を歩いているソニック。
私は彼の背中を見ながら思いだしていた。
血を吸われたことによって、
もしかしてソニックなのかな。
こうやって彼の
まあ、夢か
きっと私の
それにしてもなんかカッコいい感じの人だったな。
そのときに、前を歩いていたソニックが、急に
「そうだ、ビクニ」
「へっ?」
しみじみとしていた私は、前みたいにまた
ソニックは、そんな私にことなど気にせずに、何か小さなものを
「わわわっ!? ちょっと、いきなりなに!?」
飛んできたものを、両手を
そして、取った小さなものに目を向けると――。
「ねえ、これって……?」
私はこの宝石に
そう――。
この指輪に付いている宝石は、木の
「ソニックこれ……ソリテールの……」
「これでその
「あ、あんた!? どうしてそれをっ!?」
「誰かさんの
まったくこのツンデレ吸血鬼は……。
もうちょっと言い方を変えられないのか。
しかし、私は
そこはちゃんと読み取ってあげますよ。
「キュウ、キュウ!」
突然目が覚めたググが、私の
ググは丸々と太っているのに、何故か
あっ! でもググって
それに、ここはファンタジーの世界だったね。
頭へ飛び移られたソニックは、
私はそれを見て、ついクスクスと笑ってしまった。
それから、私はソニックの体をポンポン
「ありがとね、ソニック」
彼に向かって
ソニックは「ふん」っといつものように
彼に代わってググが大きく鳴き返してくれた。
「じゃあ行こうか、ソニック、ググ」
そして、私ソニックとググよりも前に出て先へと歩き出した。
彼らは、そんな私の後を追いかけてくる。
……リンリ。
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