第二十九話 小さな嘘
「なにそれ? 一体どういうこと?」
私はソニックが言っている
だって、村が
周りの小屋もそりゃライト王国の家と
「まだわからない……が、ちょっと
「調べるって……だからソニック、あんたさっきからなにを言ってんの!?」
「とりあえずお前はあのソリテールって
ソニックはそう言うと、小屋から出て行ってしまった。
「ちょっと!? ソニック!? 待ちなさいってばっ!?」
私が彼を追いかけて小屋の外に出ると、そこにはソリテールが
「あれ? どうしたのビクニお姉さん? それとソニックお兄さんはどこへ行くつもりなの?」
それは、この
だっていきなり「この村は滅んでいたみたいだから、それを調べるって」なんて言ったら、おかしいでしょ?
もしソニックの
でも、あのソニックのただならない様子は、身の
あぁぁぁ! 私はなんて答えたら
コミュニケーション
「……ビクニお姉さん。大丈夫?」
両手で頭を
……まずい。
とりあえず落ち着いて考えないと……。
だけど、こんなときは一体どうすればいいのか――。
「
そのとき、私の頭の中で、以前にリンリが口にしていた言葉が
そうだよ。
別にソニックが出て行ったって問題になるようなことはないし、ここは適当なことを言っても大丈夫なはず。
「ソ、ソニックはね。ちょっとトイレへ行ってくるって」
「そうなの? 川ならこの村にもあるから、わざわざ森のほうまで行かなくてもいいのに」
「それがあいつ、実は
私はその場で思いついたことをベラベラと
どうやら、その話をソリテールは信じてくれたみたいで助かったけど。
正直、私はこういう適当な嘘をつくのは
というか、
前に元の世界の図書館で借りた
嘘をつくなんて人間関係には当たり前だ、みたいな
私がコミュ障なのは、その場の空気を読んで嘘をつくのが
漱石先生……もしそうなら今後私が
そして、小さな嘘をついたくらいで
……って、夏目漱石は別に神様じゃなのに、私は何を思っているんだか。
「お姉さん、ビクニお姉さん」
「は、はい!」
し、しまった。
つい、いつもの
お
やっぱり他人との会話中に、
反省しなきゃ……。
「ビクニお姉さん……なんか元気ないね?」
「そ、そんなことないよ! 元気、元気! 元気いっぱいだよ!」
バカ野郎!
元気なわけあるか!
だけど、ソリテールに
それでも、また嘘ついたせいで精神が削られていく。
しかし、悪いのは全部うまくやれない自分せいなのだ。
「そうならいいんだけど……でも、元気がないときはちゃんと言ってね。ビクニお姉さんが言ってくれないとあたし、気がつけないから」
ソリテール……。
あんたはなんていい子なんだ。
お姉さんは
「キュウキュウ!」
私の
そして、そのままここの案内すると言って、村の中心へと向かった。
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