第二十三話 断罪されるメイド
「なんで!? なんでラビィ姉が国を出なきゃいけないのっ!?」
大声で
だってラビィ姉はライト王もこの国のことも大好きなのに、どうして出て行かないといけないのかが理解できなかったからだ。
だけど、私以外のみんなはラビィ姉の言い出したことをわかっている――
「ビクニ。いきなりそんな大きな声を出したからバグが
そのおかげでバグの震えは止まったのだけれども、ラビィ姉の
ラビィ姉はそんなバグに悲しそうな笑みを向けて床に下ろすと、
ライト王は、そんなラビィ姉に、なんて声をかけたらいいのかわからない、といった表情を向けている。
「今回のことでようやくわかったんっすよ。うちはこの国――ライト王国の
それからラビィ姉は、さっき私が喚いたせいで伝えられなかった説明を始めた。
ただ
それら自身の
「
「なっ!? そんなの当たり前じゃない!」
ライト王に頭を下げながら話すラビィ姉に向かって、私は食って
だって、そんな全部ラビィ姉が悪いみたいなことは誰も思っていないし、
「ラビィ姉は悪くないよ!」
「でも、ビクニ……。うちがいなかったらバグが悪意を
「それを言うなら私が持っていた
そう……そうだよ。
だって幻獣バグは元々人の悪い心を食べるのが
だからバグが暴れた原因はこの魔道具のせい。
「ビクニ……これはケジメなんすよ。それに、うちがこの国にいたらまた同じようなことが起こるかもしれないっす」
「そんなの
「ビクニ……」
自分でも、ただの子供の
ラビィ姉の、国を心配するからこそという気持ちも理解している。
けど……だけど、やっぱりそんなのおかしいよ。
自分が
だってラビィ姉はライト王のために……国のみんなのために、
「ラビィよ……言いたいことはよくわかった」
そのときのライト王はすごく
ライト王は何を言う気なんだろう。
まさかラビィ姉が出て行くのを
そんなのダメ……絶対にダメだよ……。
「では、ライト王国の王――ウイリアム=ライト28世として言い渡す。ラビィ·コルダストよ。そなたはこれから毎朝教会へ
「ラ、ライト王様……」
ライト王は、ラビィ姉へ国に残るように言った。
そして、屈んでいるラビィ姉の傍へと
「
震えるラビィ姉へ、ライト王は優しく、そして
「ラビィ……わしの傍に……この国に居てくれ。我らにはそなたが必要なんだ」
「……は、はい。う、うちはメイドとして、ライト王様の傍を
そして、ライト王に抱きめられたラビィ姉は、涙を流しながら
私も、そんな二人の姿を見て、涙が止まらなくなった。
「よかった……本当によかったよぉ」
周りにいた兵士たちは、そんな私を見て笑っている。
そして、悲しそうに鳴いていたバグが、いきなり嬉しそうに大きく鳴き声をあげた。
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