一方その頃



「おん?」「ん?」「ブルォ⁉︎」


 顔を上げた東条とノエルとプニルが見つめ合う。


 東条は持っていた筈のゲーム機を探して指を彷徨わせ、プニルは辺りを駆け回り、ノエルは出口のない周囲を見回して理解した。


「閉じ込められた」


 腰に手を当て裸で仁王立ちしているノエルに、東条もゴロン、とその場で横になる。


「あいつらなりの親切だろ。ここで巻き込まれたフリしてよーぜ」


「ん」


「フブルっ」


 ノエルとプニルもゴロン、と横になり……数秒。


「……ん? 待てよ」


 東条が大切なことを思い出して目を開ける。


「俺アーサー守らないとじゃん」


「そだった」


「あいつら分断とかエグいことしやがって! 誰だ立案者は⁉︎ エキドナだろ絶対!」


「ん」


「ノエル、アーサーの居場所探ってくれ。あいつ死んだら世界滅ぶらしいからな」


「大変」


 ノエルが手を突いた地面から、全方位に向かって蔦が伸びた。

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