第58話 Set the 2nd Leak Device

「ホゾンカンリョウ、ベリファイシテクダサイ」

 朝、コイツが目覚まし代わりそんなことをいいやがる。

 ふぁ~あ、なんだっけ、Rをvでなんかして……

 ピーーガガガガガ……

「ベリファイカンリョウ、エラーコードE_NOERRデシタ」

 回りくどい言い方だが、要は問題なかったっぽい。というわけで、2つ目のリークデバイスが完成。


「よし、今日はこれを設置しに行くぞ」


「ダーリン、3つ目のリークちゃん、ガワだけ作っとくから、あとはよろしくねっ♪」

 帰ってきたらさっきのピーガーを聞かせてあげりゃいいんだな。


 よし、出よう、バウザス、久々の出番だぞ。


「ore ha ikanzo」


 え? 何言ってるんだ。しょうがないだろ、打ち込みしている間、お前と会話する手段はなかったんだ、ふてくされないでくれよ。


「nanka yana yokan suru」


 そんなことを言って頑として聞かない。


 すると、とりあたまが助け船を出してきた。

「おう、じゃあ俺らの≪助け船≫に乗せてやる」

 と言って来た(世界観の保全のために一部の文言を改変しています)。


 で、そのう、助け船なんだけど、一応「船」には違いないらしいが、空飛ぶし、やっぱり鉄でできていて、なんか、こう、羽みたいなのが生えているが、一切羽ばたかないし、空飛ぶときはケツからすごい炎の柱を出す、というシロモノだ。


 で、それにとりあたま、世界観クラッシャーさん、リークちゃんも乗っけて飛び立った。どんなパーティーだ。


 現場に着いたら、夜だった。助け船が激遅だったわけではなく、そもそも朝だと思っていたら夜だった。だってあのまもラボ、水に沈んでたら昼も夜もわからんもん。


 えーと、たしか古井戸とか言ってたな、どのへんだろ、あー、暗くてわからん。


 すると、

「こっちだ!」

 と声を掛けるものが。


「あ、囚人番号60!」

「だからその呼び方やめろ、セディムである!」

 また例の大きい緑色のドラゴンに乗って現れた。彼の行く先までついて行くと、


「あ、ここにあったのか、古井戸」

「そうだ、2台目はここに設置するといい」

 なんとも親切なセディムであった。


「よし、ここに設置だ。メッツレツ、あとは頼んだ」

「セッテイガ、カンリョウシマシタ」

 順調順調♪


 さあ、助け船に乗って、戻るか。



 あ、帰るなり「ダーリン、おかえりー、早かったねー」とかいって抱きついてくるやつが絶対いそうだ。

 避ける準備しながら、恐る恐る入ると、


「あ! ちょっとダーリン! あんたのペットが、暴れてるんよ! なんとかしい!」

 え? 何してんだバウザス。


 まもラボの中には、資料室もあって、本がいっぱい並んでいる。バウザスときたら、資料室にある本を手あたり次第取り出している。といってもドラゴンなので器用に取り出せず、爪で引っ掛けて床に落っことしまくっていた。


「ドラゴン討伐リクエスト」

「ドラゴン撃退用カラーボール」

「燃えて灰になれよドラゴン」


 なんかドラゴンをやっつける関連の本ばっかり。こいつ、ついに自暴自棄になったか。やめてくれ、お前が活躍する時はいずれくるから、と言ってなんとかなだめておいた。



 さて、3つ目のリークデバイスのもとへ。

「おお、できちょるできちょる」

「Rコマンドヲジッコウシテクダサイ」

 で、ピーガー音を聞かせてやると、楽々完成だ。


 よし、これを設置しにいけば、3つ設置完了だ。えーと、今第58章か、59章はアイツのパートだから……お、節目の60章目で設置だな!

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