こんにちはー!今回は僕が主役だよ♪

 やあ!!


 今回は僕!……えっと、小屋の主、とやらが、知人とか友人とかと言っている、皆の善良な友人、つまりは僕が主役だよ!


 小屋の中に、明かりを灯してみようか。


 壁は薄汚れた白。


 部屋には、大きすぎるほどの縦長のテーブル1つと、艶やかな椅子が2つ。


 奥は暗くて見えないけど、生活スペースのように見えるよね。


 部屋の明かりは豪華で透明、明かりで目を潰すかの如く光っているシャンデリアと、蝋燭。

 雰囲気出るよねえ。


 部屋の広さはまあ人によって感じ方は違うものだよ。

 そうでしょ?



 んじゃあ今日は、小屋の主人……んにゃ、呼びにくいから、あいつ、とでも呼ぼう。

 あいつ、について、僕がすこーしだけ話してあげよう。






 あいつはいつか僕に言ったんだよね。



 「君のことが嫌いだ」ってさ。


 あの時は面白かったなあ。




 その時僕が持っていった噂は『遺産を狙った息子が、父親を殺そうとした』ってものだったんだけど、まあその息子さんは、


父親の借金のせいで首が回らなくなっていたんだよね。


 息子が払ってくれるのをいいことに、父親は趣味の賭け事を沢山やって、幸せに暮らしてた。

 もちろん勝っても自分のものしか買わないで帰る。息子は貧乏暮らし。


 そりゃ殺したくもなるよね。


 でも人間ってさ、殺人罪って言って、人を殺したら殺されてしまったりするんだろ?

 

 だからさ、ダメじゃないか。


 彼が父親を殺して、彼も死んで終わり、なんて、



『つまらない物語』じゃ。


 そう思って招待したんだよね。この森と小屋に。


 あいつ何故かめちゃくちゃに怒ってさ……




「あなたは何がしたいんだ?!父親のために今まで金を返してきたんじゃないのか?」


 今のあいつより影が薄くて、若いエネルギーある気がするよね。

 外見は変わらないけど。あいつも若作りだよねえ。


 灰色に、少しの緑色の混ざった髪、隈の目立つ薄暗い赤い目、細い体にキチンと仕立てた白黒の執事服。


 その身を猛らせて、息子に訴える。

 『自分自身』を救おうとするかの如く、正論をまくし立てる。



 次のシーンで、客人は消えたね。


 そりゃそうだ。彼が欲しいのは説教じゃないし。


 そんなの、まさに『死ぬほど、自分自身の声で』聞いていた言葉だろうから。



 薄い唇を噛んでいるあいつがいるね。


 その後、僕が入る。


 あいつは、僕に殴りかかってきた。


 僕は捻り潰した。


 音がすごいね。音量下げる?大丈夫?

 ならよかったや。


 あいつは床に仰向けに倒れたまま、顔を覆って「俺は君のことが嫌いだ」と言ったね。




 いやぁ懐かしい。その頃はあいつの紅茶、美味しかったなぁ。


 まあ、客人には不評だったけどね。




 じゃあまたね。



 君もこっちに来るかい?


 じゃあ、おいで。


 そんな安全なところで観てないで、さあ。

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