第4話

 さて、課題も済んだし帰りますか。わたしが美化部のドア開けると殺気が立ち込めています。図書室棟のかげから誰か覗いています。輝夜さんと出会った時の『北斗』の男子生徒ようです。


「隠れてないで出て来なさい」


 わたしの言葉にびくっと脅えてからゆっくりと出てきます。


「よく、俺の気配に気づいたな」


 自分の殺気もコントロールできない。ただの、無能です。


「要件は言わなくて良いです、そこの中庭で勝負しましょう」

「いいだろう」


 図書室の隣にある広場に移動して勝負です。


「姉ちゃん、こいつは酸の使い手だよ」


 白花が助言をくれます。


「何故、わかった!」


 白花の助言に反応します、つまりは図星です。


「簡単な事だよ、靴の荒れようが溶けた感じです。そして、独特の臭い。これだけあれば酸の使い手だと答えが出ます」


 流石、我が軍師の白花だ。ここはせめてもの情けとして名前くらいは聞いておこう。『北斗』の男子生徒は『奥井 海戸』と名乗りました。海戸さんは慣れた手つきで魔法陣を描き、術式を発動します。イナズマと共に召喚されたのは固い殻におおわれたサイボーグの巨大なクモです。わたしは久しぶりの本格的なバトルに色めき立ちます。


「『絶対正義』の名のもとに成敗します」


 わたしは燃える心に右手の魔法陣が光ります。


「僕が合図を出します。その後に戦闘開始です」


 白花が広場のわきに立ちます。


『レディーゴー』


 巨大なクモは動きだし、わたしも戦闘モードに入ります。


 わたしは術式を走らせて『剛力の剣』を召喚する。非力なわたしでも岩をも砕く炎術の一つだ。そう、切ると言うより叩き潰すに近い。すると巨大クモの背中が開いてペットボトルの様なミサイルが発射される。


『酸』か!


 わたしは着弾地点から間合いを取る。ミサイルが破裂して液体が散らばり、煙が上がるここで敵の性質が事前に分っているのはかなり有利だ。白花が軍師でよかった。さて、どうする……。


 敵の素早さは皆無。あの見た目からして防御力は高いだろう。基本は遠距離へのミサイルによる酸での攻撃か……。


 巨大クモは海戸さんが操っている様子がない。つまりは自立起動式の召喚獣である。簡単なプログラムで動く機械の様な存在だ。


 再び背中が開きミサイルが発射される。わたしは着弾地点から間合いを取る。ダメだ、多く間合いを取る分、こちらの攻撃の機会が削がれる。


「姉ちゃん、ファイアスコールだよ」


 白花が叫ぶ。


「そうか、あれか!!!」


 わたしは術式を走らせて『ファイアスコール』を召喚する。雨粒ほどの炎の雨が降り地面で炸裂する。


「無駄だ!その程度の火力ではクモの装甲は破れない」


 海戸さんが得意げに言葉を放つ。その言葉通りに巨大クモの装甲にはファイアスコールでのダメージは与えていない様子である。三発目のミサイルが発射されてわたしはギリギリのタイミングで避ける。


「降参しろ!」

「まだまだ……」


 降り続く炎の雨にわたしはそろそろかと思う。


「『絶対正義』の降臨だ!」

「なに?」


 ファイアスコールによって熱せられた地面から炎の竜巻が発生する。


「これは?」


 驚く海戸さんは何も出来ないでいた。


「要は熱せられた地面と空の温度差だ!」


 白花が叫ぶのであった。


 わたしは炎の竜巻によって舞い上がる巨大クモに『剛力の剣』を投げつける。空中で防御のとれない巨大クモにクリティカルヒットすると。


「『絶対正義』は勝利の証!!!」


 わたしの決め台詞に燃え尽きた巨大クモが地面に落ちる。


「お、お、覚えていろよ!」


 海戸さんは大急ぎで逃げ出す。わたしと白花はハイタッチをして勝利を喜ぶ。しかし、流石、『北斗』のメンバーだけの事はある。わたしは勝利のよいんに浸かっていると焦った事を思い出す。


 輝夜さんの無事を確認すると引き締まった気持ちになるのであった。

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