第28話 激闘?福引会場?(15) パちんこ玉赭ブロー裏モード! 三毛猫HS発動!

「逮捕だぁぁぁぁあぁ! ルパン!」

 そんな大きな叫び声とともに控室に一つしかない窓が勢いよく開け広げられると、一人の男が飛び込んできた。


 その姿……さながらトレンディドラマに出てくるチョットあぶないデカのように、窓枠についた手を支えにしながらウサギ跳びで華麗にジャンプしてきたのだ。


 空を舞うその姿。

 金髪の長い髪が放物線を描ききると、重力に逆らいたなびき流れていく。

 外の明るき世界とほの暗い控室。

 そんな明暗分かれるコントラストの境界面を金色に流れる髪が掻き散らすのだ。

 まるで、そこの空間だけがゆっくりと時間が流れていくかのよう……

 窓の外から差し込むわずかな光が、流れる髪に反射してきらびやかに輝いては消えていた。

 その流れるような一連の動きは、大げさでなくとも……美しい……


 美しいのだが……


 その男……どうやらジャンプが少し足りなかったようで、つま先が窓枠に引っかかってしまったようなのだ。

 うぉっ!

 まあ、大体こういう風に恰好をつけている時に限って、世の中、なぜかうまくいかないものなのである(ちびまる子ちゃんのナレーション、キートン山田さん風でお願いしますwww)。


 傾く体……

 

 当然……

 スッテンコロリン! スットントン!

 そこからのぉ~! ゴツン! 

 痛っ!


 窓枠から落下した男は顔面を控室の床に引いてある畳にしたたかに打ち付けていた。

 あれは痛そう……というか、絶対に痛かったに違いない……

 というのも、銭形のとっつあんのように、少々、首がありえない角度で曲がっているのだwww

 多分……これは……死んだな……

 くの字に折れた首、普通の人間だったら確実に死んでいる……

 その証拠に、天井へと突き出しれた尻が先ほどからピクリとも動かないのだ。

 あっ!

 今、ちょっとだけケツの穴がすぼんだョwww

 生きてる! 生きてるよ! この男www

 よかったぁwww

 もうwww ここでこの人が死んだら、なんやかんやで連続殺人事件みたいなノリになりそうでしたもんね。

 もう、そんなことにでもなったらこの小説、バトル物ファンタジーから、どんでん返し大好きのサスペンス物ミステリー小説に変わってしまうところでした!


 というか……今、気づいたんですけど……

 この控室……カギ閉めていなかったんですね

 ってwww不用心だなwww

 そんなことだから、こんな不審者が窓から侵入してきたんじゃないの?

 いやいや、やっぱり窓から侵入してきたということは、この男は銭形のとっつあんなのかもしれない?

 銭形のとっつあんのように警察というのなら、令状があれば勝手に人様の部屋に突入することだってできるというものだ。

 そういえば、こいつ……飛び込んでくるときに逮捕だとか何とか言っていたような……

 ということは、やっぱり……この格好悪い男は、もしかして警察官なのだろうか?

 いやいや、この世界には警察というものは存在しない。

 その代わりに、門を守護している守備兵たちがその任を担っているのである。

 ならば、どこぞの門の守備兵なのだろうか?

 残念ながら、それも違う……この男の見た目は……どう見ても変態……いや、お子ちゃまなのであるwww


 男は、さも何事もなかったかのように立ち上がると、さっと金色の前髪を掻き上げ、かけてもいない眼鏡のフレームを中指で押し上げるふりをするのである。

 まぁ、いわゆる見えない眼鏡、エアー眼鏡というやつですね。

 そして、子憎たらしそうな顔をタカトたちに向け、不敵な笑みを浮かべるのである。

 そ・し・て! そこからの~‼ 決めポーズ!


 そう!

 たった一つの真実見抜く!

 見た目は子供!

 頭巾は大人!

 その名は、名探偵セレスティーノ!


 決まったぁ!!!!


 って、この男、セレスティーノだったのかよwww

 というか……名探偵って……あんた……

 だいたい、セレスティーノの旦那は第八の門の騎士だろ!

 しかも、神民学校の生徒会長のはずである。

 その見た目は、おそらく17か18歳といったところじゃないだろうか。

 ならば、どう見ても、お子ちゃまじゃないよねぇwwwって、そっちかよwww

 えっ?

 何?

 下?

 下を見ろ……

 ……

 ……

 ……

 おおっと! そうだったwwww

 セレスティーノ旦那は火性人ではなくて……真正人だったwww

 いまだ成人式を迎えることができない真性人は、コンドー●さんのような頭巾を目深にかぶっていたのである。

 その大きさと言ったら、タカトのそれとドッコイどっこいwww

 まさに見た目は子供wwwチロルチ〇コwww

 うん! 確かに、お子ちゃま! 間違ってないわwww

 というか、セレスティーノ旦那、自分の息子がチロルチ〇コであることを自認しているとはwwwwさすがに、騎士といわれるだけのことがある!

 今だ玉シャブローで股間を大きく見せかけているタカトなんかよりも数段すごいわ!

 ……って……なぜ、いまだに裸なの?

 やっぱり……セレスティーノの旦那が……変態なのは間違いない!


 まあ……ともあれ、変態であったとしてもセレスティーノの旦那は、この世界の警察である守備隊を束ねる騎士様である。

 いわゆるそのお立場は警部といっても過言ではない。

 今風に言えば、第八分署 警部セレスティーノといったところだ!


 ということで! どこからか聞きなれた音楽がwww

 チャん~チャん~ジャ―――――――ん!

 チャんチャんジャ―――――――ん!  

 ジャ♪ジャ♪ジャ♪ジャ♪ジャ♪ジャ♪ジャ♪


 Re捜査刑事・セレスティーノ2「ステージ~控室・同窓不倫殺人!

 ~ホスト殺しと迷宮入り事件を結ぶの傷との謎!!」

 の始まり!はじまりwwww

 なんかこれ、火曜サスペンスで見たことがあるようなタイトルだな……

 しかし、まさにこの時だれも今回の事件が、上記のタイトルのような複雑な事件になろうとは予想だにしていなかったのである。そう、作者自身もしかりである


 そう、そんなスッポンポンのセレスティーノには、美しく輝く金色の髪がたなびいていた。

 ちなみに、ココは控室の中なので風は吹きこみません。

 えっ? 窓が開いているだろうって。

 うん、確かに窓は開いているのだけど、髪がたなびくほど強くはないんだな……これがwww


 なら、なんで?


 そう、セレスティーノの脇で、二人の男が必死でウチワで扇いでいたのである。

 この男たち、おでん組のメンバーである巨大顔面の眉毛なしリーダー!コンニャことガイヤと、とんがり頭のムキッ歯野郎であるスージーことマッシュであった。

「よっ! 三角チ〇コパイ! イイおとこぉ~♪ ヤ!」

「お腰に付けたチ〇コパイ! 1つ私にくださいな! しゅ!」

(注意! いい子は〇に「ョ」を入れて読もうね♡ なに? 語呂が合わない? 知らんがなwwwそんなことwww)

 そんなボディビルの会場で出てくるような二人の掛け声の中心にセレスティーノが勃っていた!

 その整った筋肉が、ムダ毛一本もないピカピカの光を放っているのである。

 よほどこの輝きがお気に召しているのか、先ほどから次から次へとマッスルポーズを決めては新しいポーズに替えているのだ。


 というか、確か……セレスティーノさまの体毛という体毛は、お登勢の北斗シイタケによってすべて脱毛されていたはずだったよね?

 なぜに金髪が……

 おかしいだろ……設定……無茶苦茶……


 ふふふふ……そう思うでしょwww

 セレスティーノ様はこれでも騎士! 不老不死の騎士なのです!

 だから、首がくの字に折れようが、なんともないのだ!

 そして、当然に頭の毛根もすでに復活済み!

 だけども、チロルチ〇コたる息子の頭は、いまだに坊主のままだった。

 って、今はそんなことはいいんだよwww


 得意げに髪をかきあげたセレスティーノの中指の先が、自分のおでこを押さえて、何やら考え込んでいる……

「んー……あなた……名前をなんて言いましたっけ?」

 おい! なにか真剣に悩んでいると思ったら名前かよ!

 というか、お前、マジで覚えていないの?

 だからなのか、その言葉を聞くコウスケは唖然としていた。

 そう、こう見えてもコウスケはセレスティーノの神民なのである。

 しかも、その神民の刻印は騎士自らによって与えられるのだ。

 だからこそ……自分が任命した神民を忘れるお馬鹿な騎士が一体どこにいるというのであろうか。いや、いるはずは……

 あっ……ここにいた……


 しかし、そんな馬鹿な騎士であったとしてもコウスケが寄せる信頼は厚い。

 だからこそ、その言葉が単なる物忘れ、もしかしたら、ちょっとしたうっかりから発せられたものかもと都合のいいように解釈して、さも、自分のことを思い出してくださいといわんばかりに必死に手を振りながら慌てふためくようにアピールをし始めていたのだ。

「いやだな……セレスティーノ様……本当に僕のことがわかりませんか? コウスケです! あなたの神民のコウスケですよ!」


 だが、まあセレスティーノでなくとも、そのいでたちからして同類とは思われたくはないものだ。

 かたや悪の首領のコスプレ!

 で、もう一人はスッポンポン!

 普通の感性の持ち主であれば、この二人とも記憶の片隅から同時に消し去りたいぐらいである。


 しかし、コウスケの名を聞いたセレスティーノは、わざとらしくオーバーに手を叩くと少々ニヒルな笑みを浮かべていた。

「そうそう……コウスケ君といいました」

 というか……なんか……このセレスティーノの雰囲気、どこかで見たことがあるような気がするんだよな……


 そして、おでこから外した右手の人差し指を立てながら顔の横で振り出したのだ。

「えー……私はあなたがやったと思っています」

 それからの斜め目線の決めポーズ!

「古畑チン三郎でした!」

 って、古すぎだろwww

 というか、チンってなんだよwwwチンってwww

 いや、だって……いまのセレスティーノ様の姿を見たら、当然チンだろwwwチンwww

 

「ちょっと待ったぁぁぁぁあ!」

 控室にタカトの震える声が大きく響いた。

 先ほどまで入口で恐怖によって固まっていたタカト。

 だが、今、目の前でコウスケが殺人犯として逮捕されようとしているのである。

 おそらく……このまま逮捕されればコウスケは極刑……

 それはコウスケの死を意味する……

 動け!

 動け!

 動け!

 動け!動け!動け!

 動け!動け!動け!動け!動け!動け!動け!

 動いてよ! 今動かなきゃ!今やらなきゃ!コウスケが死んじゃうんだ!

 もうそんなのやなんだよ! だから!動いてよ!

 あの幼き時……目の前でおきた父の死に対して何もできなかった自分……

 またもや、眼前の友を前にして何もできないのか……

 否!

 俺は、もうあの頃の俺ではない!

 ここで友を見捨てることなどできようか……

 いや、できはしない!

 できるはずがない!

 そう! 俺はタカト!

 タカトなんだァぁぁぁ!

 ということで……

 こんなオモロそうなこと……

 ――俺も混ぜてぇwwww

 必死に笑いをこらえて震えるタカトであった。


「だいたい、こいつが犯人の訳ないだろwww」

 笑いながらタカトは悪の首領の肩に手をまわした。

「あ……ありがとう……君……」

 悪の首領は目に涙を浮かべながら、そんなタカトを見つめていた。

 うん? 君?

 なにか違和感を感じるタカトであったが、今は目の前の古畑チン三郎とのバトルが最優先なのだ。

 

 だが、タカトの言葉に納得のいかないセレスティーノは当然に、

「騎士の私が判断したことに何か問題でもあるのかな?」

 確かに騎士といえば身分は最上位!

 黒いものを白と言えば、それは白になるものなのだ。

 というか、下々の者は白と信じ込まないといけないのである。

 すなわち、口答えなどもってのほか! そんなことしたら、即!死刑である!


 しかし、こちらはタカト君!

 鑑定の神様にだってタメ口をきける強者である。

 だから、当然www

 騎士がなんぼのモンじゃぁぁぁぁ!

 まぁ、この場で当然、こんなことを言えば速攻で首が飛ぶので心の中だけで叫んでいるわけなのですがwwww

「でも、騎士様、このミステリーを解かないで名探偵と言えますか?」

 そう、タカトはセレスティーノのプライドをくすぐったのである。

「さっさと解決して大きな男だってところを見せましょうよ! このビックリマンチ○コ! 進撃の巨チ○! 女たらしのみたらし団子! オマタのホワイトホールがアナタの波動砲を待っている!」


 だが、セレスティーノはタカトのおべっかにまんざらでもない様子。

「えっ……そうかなぁ……そこまで大きくないとは思うんだけどなwww」

 それを見たタカトはにやりと笑う。

 やはり、お互いチロルチ○コを持つ者同士。

 小さき者が喜ぶ言葉をよく知っているwww


 しかし、気をよくしたセレスティーノはコウスケの逮捕を一時中断するかのように控室の壁にもたれかけながら腕を組んだのだ。

 そして、きざったらしくタカトに語り掛けるのである。

「それでは、名探偵君。君の見解を聞かせていただこうかな」

 一見クールに恰好をつけているのだが……いわんや、セレスティーノ様……いまだに素っ裸である。


 そして、この言葉に気をよくしたタカトもまた(自称)カッコよく振り返る!

「じっちゃんの名にかけて、この謎は必ず俺が解いてみせる!」

 って、じっちゃんって……この場合……名探偵の金田一耕助じゃなくて権蔵じいちゃんのことですよね……

 ま……まぁ……確かに、名探偵でないにしても融合加工の名工ではありますが……


 ということで、まずは現場の現状把握!

 現場百回といわれるように、現場の細部に至るまでの観察こそが名探偵の鉄則なのである!


 タカトは赤い血だまりの脇に膝をつくと、横たわる男の首筋にそっと指をあてた。

 その二本の指先には、脈を感じない首筋から少し冷めかけた妙に生暖かい体温が伝わってくる。

「やはり……死んでいるな……」

 この死後硬直の度合いからして……おそらく、先ほど死んだといったところだろう……

 ならば……犯人はそう遠くに行っていないはず……


 首から指を離したタカトはスッと立ち上がると、その男の状況を頭から足の先まで一通り観察しはじめた。


 血だまりに横たわる男の頭はオカッパボブ頭……そして、おちょぼ口があるその肌つやは、死者にしては美しい。

 ――もしかして……この死体は……女なのか?

 そう思えるほど、このガイシャは日ごろから肌のお手入れには余念がなかったと見える。

 特にアゴ周りには、むさくるしい無精ひげといったムダ毛すら一本も存在していないのだ。

 その無駄に美しい肌の輝きにタカトはジェラシーを感じたのか、無意識に唇を強くかみしめていた。

 ――できる! コイツ何者⁉

 そう……現時点で被害者の氏名は不明……性別もたぶん……不明なのであるwww


 タカトは視線をさらにそのアゴの先へと移す……

 そんな男(?)の上半身には黒い男性用の学生服が身につけられていた。

 いわゆる立て襟の標準型学生服というやつである。

 だが、神民学校のそれとは少々異なっていた。

 ということは、どこぞ違う地域の学校の生徒なのだろう。

 いや、もしかしたらただの制服コスプレイヤーという線もある。

 そういえば……目の前の悪の首領も立て襟ではないか!

 ――そうか! 今のブームは立て襟なのか!

 これこそアバンギャルド! 圧倒的なアバンギャルド!

 ――ならば!

 今度、巨乳のお姉ちゃんに拝謁するときに、立て襟にしてみるのはどうだろうか。

 そうすれば、巨乳のお姉ちゃんから「きゃぁ♡ タカト様♡ 私をお嫁さんにしてください♡ いや、タカト様のハーレムに! ぜひ、ハーレムに加えさせてください……ご命令とあればタカト様のチロルチョコもくわえさせていただきます! ご主人様ぁ~♡」などと発情した雌犬のような答えが返ってくるかもしれないのだ。

 ――よしっ! 立て襟!採用!

 タカトの丹念な観察(?)の結果……どうやら……この男(?)は立て襟を身に着けるミーハーな男子で間違いないようである。


 だが、そんなタカトの思考もそこで止まってしまった。

 というのも、学生服のボタンに従って、さらに視線を下半身へと落としていったのだが、なぜか……そこには青いリボンが落ちていたのである。

 ――青いリボン?

 この男が身に着けているのが学生服であるとするならば、その下半身にあるのは黒いズボンのはず。

 まぁ、百歩譲って社会の窓が開いているとするのならば、その窓から覗くのは白いパンツのはずなのである。

 すなわち、この推理の過程において「青のリボン」などといった訳の分からぬモノが入り込む余地などないのである。

 だがしかし、今、タカトの視線の先には青いリボンが一つ横たわる男の股間の上にのっていたのであった。

 ――なんだ……これ……

 まるで汚いものでもつまむかのようにタカトは、人差し指と親指の先端で青いリボンを持ち上げた。

 というか……お前……探偵なんだろwwww

 現場保存とか、そんな考えはないのかよwww

 いいんだよ! そんなこと!

 タカトの背後にいるのは騎士であるセレスティーノ様!

 騎士こそすべて! 騎士こそルール!

 セレスティーノ様がオッケー牧場といえばオッケーなのだ!

「オッケー牧場~」

 それ見ろ! セレスティーノ様がいいって言っていることに文句などいえるやつなど、この国には王と宰相ぐらいしかいないのである!


 だが、リボンを持ち上げたタカトの顔が驚きで固まっていた。

 ――なんだと!!!!!


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