第42話 洞窟探検


今は雨宿りするために入った洞窟の壁に少し持たれて休憩をしている。



「はぁ〜、まさか岩が降ってくるとは……」



俺は未だに止みそうにない岩の雨を見ながら呟いた。



さて、どうしたもんか……



そう思いながら洞窟の奥を見てみると、暗くてよく見えないが奥に道が続いているように見える。


ここにずっと とどまっているのも勿体無いので、俺は洞窟の奥に向かって探検することにした。


しかも、水がある場所を指す矢印も洞窟の奥を指しているしな。




まさか洞窟を探検するとは思ってなかったので、ライトの準備などはカバンに入っていない。


しかし俺には秘策がある。



「【ファイア】」



俺はファイアを唱えた。そしてそのファイアは前に飛んでいくことはなく、俺の手のひらの上に大きさ10センチほどで浮かび上がっている。


あれから練習し、MP消費で火の大きさを自在に変えれるようになったのだ。今なら大きいものから小さいものまで自由自在さ。




特に何もない、ひたすら一本道の洞窟だ。


魔物でも襲ってくるかなとも思ったが杞憂だったようだな。



しばらくすると道が二手に分かれ始めたが、俺にはガイドがあるので別に迷うこともなく矢印が指す右の穴に足を進める。



すると……壁から溶岩魔人が生えてきた。



何を言ってるんだと思われるが、実際に急に壁から岩が盛り上がったと思ったら先程戦った溶岩魔人の形に姿を変えたのだ。



[岩魔人]

岩に命が宿り、形を変えた姿。非常に硬く、集団戦を得意とする。




名前が違ったので変わった点があるのかと思ったが、

溶岩でできてないので赤い模様が入っていないだけだった。



「壁からいっぱい生えてくるのを見るってなんか気持ち悪いな……」




他にも言うことがあるのだろうが、今のところそんな感想しか出てこない。


とりあえず溶岩魔人には俺のパンチが通用したので、拳でバッタバッタとなぎ倒していく。



しかし倒したそばから壁から生えてくるのでキリが無い。



「だぁぁぁぁぁ!うぜぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」




無限に生えてくる気がしたので、なぎ倒しながら先へ進んで行く。


一体一体はそんなに大したことはないが、集団で道を塞がれるとこんなにも鬱陶しいとは思わなかった。



道が二手に分かれたり三手に分かれたり、最高十手まで分かれたりしたが、ガイドに従ってひたすら走って行くと ついに岩魔人が生えてこなくなった。




やっと諦めたか………


しかし俺が強くなったのかそんなに強くは感じなかったな。もしかしたらこれから強い奴が出てくるとか…



そんなことを考えながら真っ直ぐ歩いていると少し広い空洞のような場所に出てきた。


その広場の真ん中には水が湧き出ており、泉のようになっている。




「ようやく水場を見つけた……」




しかしどこか俺の知っている水場と違う。

やけに光り輝いているし生物が住んでいるような形跡が無く、まるで俺が初めての来客かのようだ。


それどころかどこか神聖な雰囲気を醸し出している。



いろいろ気になることはあるが、まずは喉の渇きを潤すことが先決だ。


俺は泉に近づいて片足をつき、泉の水を手ですくい口に運んだ。






その時、俺は雷に打たれたような衝撃を受けた。






「おいおい………俺が今まで飲んでいた水は一体何だったんだ……?」





それほどの衝撃だった。本当に今までの水が全て腐ってたんじゃないかと思うほど飲みやすく後味が良い。


水に味なんてあるのかと思うが、俺もまさか水を飲んで体が隅々まで満たされるなんて思ってもいなかった。




[魔力水]

蓄積された魔力の塊が水となって流れ出たとされている。体に順応すればするほど魔力が上がる。なかなか見つけることが出来ない。





まさかここにきてこんな素晴らしい水を発見するとは思わなかった。


岩魔人を撒くために必死でうろ覚えだが、確かにここにたどり着くまでの道は複雑だったと思う。どうりで誰もたどり着けないわけだ。




そこからはあまり覚えていない。


美味しすぎてただひたすらに泉の水を飲んでいたと思う。




気づけば泉の水はほとんど無くなっていた。



だがまた泉の底からは少しずつ湧き出始めている。


飲みすぎたか?とも思ったが、また湧き出し始めているのを確認し少しほっとする。



泉の水をほとんど飲み干した俺のステータスはとんでもないことになっていた。






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名前 : ゼノン

種族 : 魔王 レベル : 99


【体力】: 23100 (+2700) 【MP】 : 31690 (+21600)

【攻撃力】: 7770 (+1850)

【防御力】: 7970 (+1850)

【素早さ】: 8450 (+1850)

【運】 : 250


【ユニークスキル】: 【悪食】【能力吸収】【鑑定】

【成長促進】【自己再生】 【魔力回復】


【称号】: 【新米魔王】【卵に負けし者】

【ユニークキラー】

【ドライアドに認められし者】

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まさかのレベルがカンストしていた。




「………………マジかよ!!まさかここまですごい水だったとは………」




自分でもここまでレベルが上がっていたと思ってもいなかったので、軽く狼狽していた。


そして魔力水と言う名前だけあって体に順応したのかMPが2万も増えている。こんなに増えたのはエネルビー以来だ。



それとまたユニークスキルも増えている。




ユニークスキル:【魔力回復】

魔力が減ると自動的に魔力が回復していく。回復量は1秒ごとに5ずつ回復していく。




そしてまた素晴らしいチートスキルを手に入れた。

いや、マジでこんなにポンポンゲットしていいのか?


まぁ…今までのスキルがスキルだったからな……

【胃袋吐き】とか【A5ランク】とか……


きっと神様からのプレゼントだと信じよう。

これでHPとMPが自動で回復するようになったな。


いよいよ人外の域に達してきたぞ……まぁ、もともと人外だが……



そんなことを思っていると、突然頭の中にアナウンスが流れた。







【レベルが最大に達しました。進化しますか?】

はい / いいえ







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