第39話 お菓子を育てよう
一通りお菓子を回収した後、俺達は魔王城に帰ってきた。
そしてお菓子を食べまくったおかげでまたステータスが上がった。
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名前 : ゼノン
種族 : 魔王 レベル : 76
【体力】: 19800 (+920) 【MP】 : 9490 (+1010)
【攻撃力】: 5620 (+620)
【防御力】: 5420 (+630)
【素早さ】: 6300 (+570)
【運】 : 250
【ユニークスキル】: 【悪食】【能力吸収】【鑑定】
【成長促進】【自己再生】
【称号】: 【新米魔王】【卵に負けし者】
【ユニークキラー】
【ドライアドに認められし者】
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お菓子だけで、またかなり上がってしまった。
しかしレベルが99まで上がったらどうなるんだろうか?
まぁ、上がり切ってしまえばわかることか。
99までもう少しだからもっと頑張ろう。
今からの予定は灼夏の火山に向かう準備をすることとお菓子畑を作ることだ。
そのために班分けをする。
「じゃあパンドラ、マグマラットで俺達分の灼夏の火山に入れる装備を作ってくれ。」
「任せてください!!」
「フィリアは俺と一緒にお菓子の栽培だ。」
「お〜〜〜〜」
「ネアはパンドラの監視を頼む。」
「了解っす!!」
ネアだけ何故パンドラの監視かと言うと、抜け出してお菓子をつまみ食いする未来が見えるからだ。
そうして各自所定の仕事に就く。
パンドラとネアを見送ったあと、俺とフィリアは前に作った畑の前まで来た。
まだ少ししか時間が経っていないはずなのに、もう植物達はスクスク成長してきており、現在4〜50センチほどまで伸びている。
この調子だと1週間もしないうちに収穫できそうだ。
そして俺とフィリアはその畑の横にまた同じぐらいのサイズの畑を耕した。
「こんなものでいいかな?」
「全然大丈夫だよ〜〜〜〜」
フィリアが言うので間違いないだろう。
準備が整い次第、お菓子を順次埋めていく。
側から見たらお菓子を埋める罰当たりな奴らだが、人目がないので気にする必要もない。
さて、問題はここからだ。
果たして、俺とフィリアの力でお菓子を咲かすことができるかどうか…
………お菓子を咲かすなんて言葉初めて使ったわ。
それよりもさっきからずっと気になることがある……
フィリアも気になっていたらしい。
「さっきから〜〜、ずっと見られてるね〜〜〜〜」
「あぁ、視線で背中が痛いな」
そう、先程から野獣パンドラが魔王城の陰に隠れて今か今かと
待ち続けているのだ。
だからこそ失敗は許されないのだ。
もし失敗すればこれからの作業に支障をきたし、最悪
野獣に後ろから襲われかねない。
あのフィリアでさえ緊張でひたいから一筋の汗が流れている。
俺達は、世界の命運がかかっているかのごとく慎重に畑に向けて手をかざした。
すると……
ぴょこっ
畑から一本のポッキーが生えてきた。
ガッシャァァァン………!
「ちょっ!!パンドラ、こんなところにいると思ったら何暴れてるんすか!? 何か壊れたっすよ!?」
後ろからギャーギャー聞こえてくるが、ほっておくとしよう…とりあえず喜んでるようだし……
それよりも無事成功して何よりだ。
なんとか首の皮一枚繋がったな……
するとポッキーを皮切りに、次々と森で見たようなお菓子達が目を出し始めた。
俺とフィリアは安堵して手を合わせる。
「やったな! フィリア」
「うん〜〜、やった〜〜〜〜♪♪」
チョコツリーやワタガシの木が何本か生え、飴花や いろんなお菓子の花の蕾が目を出し、カラフルな景色を作り出している。
一時はどうなることかと思われた提案だったが、無事に成功した。まだまだ小さいがこれから大きくなってゆくゆくはお菓子の森になるだろう。
今からワクワクが止まらない。
より早く夢を実現するため、これからは毎日成長を促進させていこうと思う。
それと、一つやらなければいけないことも出来た。
それは魔物が入り込まないよう囲いを作りたい。
出来れば結界のようなもので守りたい。
森でネアが言っていたように、お菓子が育てば魔物が食べにくるだろう。
それに、うちにも厳重注意人物がいるしな。
成長しきる前にポリポリ食べられたらたまったもんじゃない……
なので早急に対処しなければならない。
しかしそんな便利なスキルがあるとも思わないし、簡単に手に入るとも思わない。
さて、どうしたものか……
しかしそこに救世主が現れた。そう……
「私です!」
「お前かい」
パンドラが腕を組み、壁にもたれかかりながら登場した。
胡散臭さがにじみ出ているがとりあえず話を聞くことにしよう。
「ゼノン様、こういう時のために秘密兵器を作っておいたんですよ!」
「秘密兵器?」
「対魔物用ビリビリ電流柵です」
対魔物用ビリビリ電流柵………
名前だけで想像がつくな。
「これに魔物が触れることによって電流が流れる仕組みとなっています。ある程度の魔物なら触れれば逃げていきますよ」
このような柵は田舎でもあるな。猪や熊対策に設置している家も多い。
しかし問題は一番の猛獣に対応しているかどうかだ。
「その柵はパンドラに反応するのか?」
「しませんね」
「じゃあダメだな」
「何でですか!?」
パンドラに反応しないんじゃダメだ。
いくら高性能であろうがそれでは穴の開いたザルだ。
「畑を守るなら〜〜、私できるよ〜〜〜〜?」
真の救世主が現れた。
そう言ってフィリアが手をかざすと畑の周りからニョキニョキと植物が生え始めた。
その植物は高さが3メートルほどまで伸び、一本のツタのような形状をしている。それが畑の周りに8本。
「これは〜〜、『ガードプラント』と言って〜〜、敵と認識したものを〜〜、弾き飛ばしちゃうんだ〜〜。よく私も〜〜、お昼寝から守ってもらったよ〜〜」
さらっと言い切ったがとんでもない代物だ。
すごい…これなら俺達が留守の時も自動的に守ってくれ、なおかつ うちの畑荒しパンドラからも守ってくれる……最高の防御だ!
「フィリア、この調子で頼む」
「任せて〜〜〜〜」
これで防御壁は完成した。
若干パンドラが不服そうだが、完全にお菓子を育てるために俺は心を鬼にして厳しくいこうと思う。
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