公募用あらすじ(ネタバレ注意)
「僕が主人公になるまでの物語の物語」のあらすじ
孤独な男子高校生、早良義一の趣味はファンタジー小説を書くことだった。その小説では人々は空を飛ぶ巨大な竜(竜都)の上に暮らし、魔法を当たり前のように使っていた。そして、その物語の主人公はワッフドゥイヒという名の、義一とはまるで正反対の万能美青年だった。
義一はその小説を誰にも見せずにいたが、ある日、級友の少女、山岸かなえが彼の小説と全く同じ設定と物語で漫画を描いているのを発見する。驚き問いただす義一だったが、あらぬ誤解により山岸に平手打ちされてしまう。そして、その瞬間、二人はそれぞれが小説と漫画で描いていた世界、ラーファス学園竜都へと召喚される。
突然の異世界召喚に戸惑う二人だったが、山岸が義一のほおをつねることにより、彼らは再び元の世界に戻ってくる。召喚と帰還のやり方に気付いた彼らは、やがて物語に手を加え、「異世界デビュー」に成功する。彼らはワッフドゥイヒと同じ学校、エリサ魔術学園の生徒として、異世界の生活を楽しむことになる。
だが、次第に義一はワッフドゥイヒと自分の差にいらだちを募らせるようになる。彼は優等生で、義一は劣等生だった。それに耐えられなくなった義一は、やがてワッフドゥイヒがラーファスからいなくなる、というふうに物語に手を加えてしまう。
しかしそれは、ワッフドゥイヒが冤罪で処刑される運命を決定づけるものだった。ただ彼が目の前からいなくなればいいとだけ考えていた義一はあわってて現実に戻り物語を修正しようとするが、山岸が病気で倒れてしまい、それが不可能になる。竜都長に彼の釈放を頼むも、断られる。牢に忍び込み、ワッフドゥイヒを直接救おうとするも、失敗する。もはや絶体絶命だった。
だが、再び竜都長に嘆願したところ、ワッフドゥイヒが出場するはずだったレースで優勝すれば、彼を釈放すると言われる。義一は、その提案を受け、訓練と努力の末、見事優勝をし、彼を救う。そして、そこで物語の中での自分の役割が終わったことを悟り、山岸とともに現実世界に戻ってくる。
※電撃公募時は原稿をいくらか削りました。
そのまんまだと規定オーバーだったので12万字ちょっとぐらいに。
アップするために原稿久しぶりに読み返したら、44話のところの「義一がなんとなく考えていた厨二設定を律義に全部使ってくれている先生」で、我ながらちょっと笑ってしまった。いい先生ですね……。
僕が主人公になるまでの物語の物語 真木ハヌイ @magihanui2020
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