マジで一パーセントも
子供達は続ける。
「それで言うとさ、結婚相手に自分の親の介護をさせようって魂胆の人間ってヤだよね」
「あーっ! それって思う! 自分の親なんだから自分で面倒見ろよ! 嫁とかに押し付けようとすんなよ!! ってさ!」
すると恵莉花も、
「だよねーっ!? 他人に頼むにしてもさ、ヘルパーとか、ちゃんと仕事としてやってる人にお金払って手伝ってもらうのは分かるんだよ。それを、嫁にやらせようっていうのが、『嫁にやらせればタダじゃん!』ってのが透けて見えてて吐きそう!」
興奮する。さらには安和も、
「だよねだよね!!」
と相槌を打つ。
けれど、それに対しては、
「でも、僕は、もし
口を挟んだ。が、恵莉花も安和も、
「えーっ!? 有り得ない! それは有り得ないよ!!」
と猛反発。
すると今度は
「でもでも! 私は
洸を擁護する。
そんな
「え~っ? でも、アオママとかは例外だよ~」
「そうだよ。私だってさくらママだったら介護もアリかなって思えるけど、そんな義母とか他にいる? って思うもん」
肩を竦めて心底嫌そうに言った。
でも、椿も引き下がらない。
「じゃあじゃあ、恵莉花
などと返す。
でもそれには、恵莉花も安和も、悠里や秋生を見ながら、
「いや、それこそありえねーって」
「だよね~! さすがにそれはないわ~。ってか、私はセルゲイ一筋だし!」
手を振り首を振る。そんな二人に、
「ええ~っ!?」
椿は抗議の声を上げる。
けれど、恵莉花は言う。
「そりゃ、椿からしたら
さらに安和も、
「それに私達が言ってるのは、この狭い範囲だけのことじゃなくて、<一般論>だから。結婚相手の親の介護なんて進んで看たいとかいう奇特な人なんて、百人中一人とかの話だと思うよ」
スナック菓子をバリバリ貪りながら言った。
「そうそう。アンケートとか取ったらいいカッコして『愛してる人の親の介護なら見れます!』的に答える人もいるかもだけど、ガチの本音語らせたら、マジで一パーセントもいないでしょ」
恵莉花が補足する。
これにはアオも本心では共感しかなかった。
『確かに……!』
ここで綺麗事を口にするのは簡単だけれど、アオ自身が本気では思っていないことを言ったところで空々しいだけなのは、自らもそういう現場に遭遇してきた経験もあって、とても言えなかったのだった。
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