鶯の谷渡り

作者 織姫

10

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★★ Very Good!!

主人公の神庄美咲は突如、食べた物を吐き出す病に襲われる。18歳の彼女に宣告された余命はわずか一年……死への恐怖に怯えながらも母親と二人三脚で闘病生活を送ることとなった。
ある雪の降る夜、彼女の前に一人の青年が現れる。青年が美咲に手渡したのは【喫茶店 ウォーバレー】と書かれた一枚の名刺。名前も素性も知らない青年――‟お兄さん”に興味を持った美咲は、後日母とその喫茶店を訪れることにした。

終盤で明らかになる青年の正体、そして、彼のとった行動とは……。

”愛”とは何か……誰もが一度は考えたことかもしれない。美咲と青年の初々しくもどこか切ない、優しさに溢れた愛の物語に、あなたの心は動かされることだろう。

★★★ Excellent!!!

病気の描写がリアルで少し泣きそうになりました。

でも、美しい空と春の日の桜と鶯が見えるような気持ちになったのも確かです。

きっとお兄さんは長い長い時間を繰り返し「鶯の谷渡り」してきて、心を通わせる事のなかった人間に、心が動いてしまったんですね。
お兄さんも美咲に恋をしてしまったと言う事でしょうか?

切ないラブストーリーです。
でも希望のある気もしました。
きっとお兄さんは何かから解放され、美咲は生きることを手に入れる。
その生きる力は強制的にではあるけれど、玉のおかげで、美咲はお兄さんを忘れる事はない。

いつかまたどこかで二人が出会えたら良いと思いました。


素敵なお話しでした。
ありがとうございます。