キャラクター紹介とか裏設定とか その2

 ちょっとした裏話とかキャラクター紹介第二回。

 今回は名前だけ出たキャラが多めです。特に魔女たちは設定だけ無駄にしっかりしてて……(笑)。




◆クロード・フォン・ニブルバーグ(黒騎士)

 今作の悪役・敵役。いわゆるヴィラン。

 童話元ネタは言うまでもなく、「ノートルダムの鐘」よりフロロー判事。彼の本名がクロード・フロローなので名前もそのまま。

 ただ、邪神関連の過去とかかわりがあるため、立場とかは大幅に改変しています。


 結局最後まで利用され続けた可哀そうな人。生真面目な性格があだとなって狂信の騎士なんてことに。

 そして延々と報われない贖罪……という名目で枢機卿すうききょうたちの私腹を肥やすのを手伝っていたという(救えねえ)。

 むしろ暴走することでメアリス教徒に復讐できたと考えれば……皮肉ですね。

 

 実はこの作品において、主人公と彼は表裏の関係。

 主人公からすれば、圧倒的な力を以って自分の正義を執行する彼が、ある意味理想の存在(実は他人の都合だったわけですが)。

 一方で、逆に黒騎士からすれば、愛する人を殺すためではなく護るため、何に縛られることもなく自分の意志で戦う主人公が憧れの存在。

 

 この二人は、とてもよく似ていた……本質においてそっくりな存在だったと言えるのです。

 もし運命が掛け違えていれば、最終的に二人の立場は逆だったかもしれませんね。

 

 収容物の元ネタは、聖書にも載っていそうな戦闘狂さん。主人公のオマージュ元の好敵手ライバル(?)キャラです。

 ただ、黒い炎関連はウィッカーウィッチの影響が大きいかも。

 

 書きながら作者の中では、どこぞの聖杯戦争に参加した狂戦士化していました(笑)。

 あと、更に主人公とガチンコ勝負させるため、最終的にはモンハンのゴ〇・マガラ擬人化みたいな感じになってましたね。

 

 最終的にKBF(決戦のバトルフィールド)で炎そのものになった彼を湖に叩き落とす決着のつけ方は決まっていたのですが……そこまで持って行くのが苦労したのが最終決戦です。

 

 ちなみに、最終的に黒い炎が主人公のものになったのも既定路線。

 命を対価にする炎×不死の怪物って組み合わせを、どうしてもやりたかったんです。許してください。何でもはしませんが。

 

 あと、地味に黒い炎の人工生成が成功しているので、今後も主人公にとっては脅威となり続ける……かも?

 まあ、もう自爆特攻させるだけじゃ、逆に蒼い炎に消されますが。




◆ディオン司祭

 国を失ったソフィアの育ての親。

 ノートルダムの鐘で言うなら、大司祭ポジションでしょうか。


 もともとはそんなに活躍する予定は無かったのですが、メアリス教が上から下まで腐っているので(てか、トップは邪神に乗っ取られている)、宗教批判にならないように「宗教の良い面」を凝縮した人格者としてかなり強化されたキャラですね。

 その結果が、あの暴風大司祭です(爆)。


 捕まっている間の拷問シーンはスキップしましたが、実はかなりえぐい目に遭っていたりしています。

 それでも自ら戦線に出ちゃう。精神も強すぎです。

 

 最終的にはディオン派なる派閥を作ってメアリス教国から独立しました。

 なんだかんだ彼が居ないと話が進まなかった重要キャラですね。作中で語られなかった政治的な戦いは、だいたい彼とアレックス君の実家(ヘーリオス王家)が解決してくれたと思ってくださって結構です。




◆仮面の魔女

 ご本人は名前だけ登場。冬の城で働く仮面ゴーレムたち(あと、ガーゴイルも)の製作者。

 タロットカードの「戦車」担当。

 

 違和感持たれる方もいるかもしれませんが、ウェイト版タロットカードを見ていただければ、戦車に乗っている王子の肩当が仮面になっていることに気付かれると思います。

 解釈はいろいろとありますが、大切なものを守ったり、負けられない戦いに出向くため、臆病さや弱さを隠して戦場へ向かう心の在り方を象徴していると言われていますね。


 星座では蟹座が割り当てられていて(諸説あり)、「情が深く、大切なもののために戦う」「本当は戦いたくなくても仲間のために戦場に出るしかない」……的な意味がメインのカードとなります(らしいよ)。

 

 閑話休題。

 だから彼女もそんな性格です。

 寂しがりで、「お友達」を作りたがります。

 死体。人形。ゴーレム……あらゆるものに自分と同じ「仮面」を付けることで、それらは全て「彼女自身」となります。

 

 彼女が本気になれば、戦力はネズミ算式に増えていきます。

 そして、大切な「お友達」のためには世界を滅ぼすことも厭わない……魔女の中でもトップクラスに危険な魔女です。

 

 まあ、本人が引っ込み思案で大人しい性格なので、そこまで危険でもないのですが。

 

 収容物モチーフは、自己増殖系の奴らをごちゃまぜにした感じですね。

 作者的には「着けると乗っ取ってくる仮面」「囚人を残機にできる首飾り」「お友達を作るキチ〇イくまさん」が元ネタです。

 ソフィアが魔獣に送った熊の編みぐるみも、近いうちに彼女の仲間入りするでしょう。

 

 本人の姿は仮面をつけた幼女。

 ただし、いまある自我が彼女のものなのか、仮面のものなのか、本人にも分かりません。

 

 ちなみに、肉体の名前は「恵南えなみユイ」と認識しています。

 名前から察するに、召喚された英雄の一人。そして、得意な属性は「冥」(魔獣にもお勧めしていた)。


 かつて彼女に何がって、仮面の魔女となったのか……なんて(闇が深い)設定だけ考えていたり、いなかったり。

 

 あと、その物量作戦向きな能力から、魔女連盟No4「箱庭の魔女」(「皇帝」担当・外見は幼女)にしつこく勧誘を受けていて……。

 

 仮面の魔女「まじゅうさん、たすけて」

 魔獣「え? 俺!?」

 

 仮面の魔女のアフターストーリー「箱庭の国のユイちゃん」に乞うご期待!(公開予定未定)




◆鎖の魔女

 本名はレベッカさん。

 ある意味全ての元凶。タロットカードの「悪魔」担当。

 誓約ゲッシュの魔法を得意とするバフォメット族の魔女にして、ソフィアのご先祖様(まだ存命だけど)。

 

 作中では典型的な魔女の役割。ドロシーちゃんとは別のタイプの魔女でしたね。

 主人公がソフィアとかかわる合理的な理由を考えた際、ソフィアと血縁関係のある人物を仕掛け人とするのが一番自然だと思ったので彼女がソフィアのお婆ちゃんになりました。

 

 彼女自身も強大な力を持っているにもかかわらず、自分から動くことはほとんどできなかった人。

 まんまタロットの「悪魔」ですね。魔女としてのルールや立場、あるいは契約に縛られて、自分の意思で行動したくても身動きできなくなっている(支配されている)……そんな魔女です。

 彼女も本気を出したらやばい系の魔女です(てか、タロットが割り当てられているトップ勢はみんなやばい)。

 

 ただ、ソフィアも無事に国を取り戻せたし、結果的には一番の勝ち組かもしれません。

 彼女的には、アレックス王子よりも主人公の魔獣とくっついてほしかったようですが(八年前に見捨てた王家より、命を懸けて戦った魔獣のほうが好印象)。

 

 名前は愛称が「レヴィ」となるような名前を検索した結果、ヘブライ語で「束縛する者」という意味があるレベッカさんに決定。

 ただ……本当は「ベッキー」となるのが正しいらしいですね。やっちまったZe!(全部ブラック・ラグーンのせい)

 

 収容物のモチーフは特になし。

 似たのなら日本支部の天秤とかありますが、能力自体はよくある設定ですからね。

 

 彼女の話を掘り下げると確実に1000年前の戦いが関わってくるので、さらっと番外編とかは書けないキャラですね。




小鳥遊たかなしシロウ

 かつて召喚された英雄の一人。鎖の魔女の恋人。指輪を送っているので、少なくても婚約まではしていたのでしょう。

 癒しの力と結界の力に長けていた……という設定。

 

 ただし、邪神が封印された時点で既に死亡済み。

 鎖の魔女を置いて、一人で逝ってしまった――そこに在ったドラマが語られる日が来るんでしょうかね?




薬師くすしの魔女

 本編には名前だけ登場。

 タロットカードの「死神」担当。

 魔獣の血を使って秘薬エリクシルを作れるようにしてくれた、作中でもキーパーソン。

 

 しかし、彼女の本職はあくまでも(自称)医者であって、「薬師」の二つ名に不満を持っている……という裏設定があります。

 

 実は彼女にはもともと結構重要な役目を担わせる予定だったので、収容物モチーフがあるキャラです。

 元ネタはペスト医師と万能薬。『薬』を重視する二つ名に不満なのは元ネタリスペクトです。

 

 ちなみに作中後、ジーノが弟子入りする予定。




◆婚礼の魔女

 本編には名前だけ登場。

 タロットカードの「力」担当。ただし、能力的にはアレイスター版の「性欲」がかなり影響しています。

 

 使える魔法は房中術によるテイミング。かなり高位の魔獣であるグリフォンやマンティコア、ワイバーンなんかを従えます。

 外見は男性に好かれがちなゆるふわ美女。ただし、人型生物の男性(オークやゴブリン含む)にトラウマを持っています。

 

 変態枠のネタキャラかと思いきや意外と闇が深い。

 彼女の話は続編が出たら深く語られるかもしれません。




開闢かいびゃくの魔女

 本編には名前だけ登場。

 タロットカードの「魔術師」担当。魔女連盟をまとめるNo1。

 No2の図書館の魔女(「女司祭長」担当)とともに魔法学校も開校しています。

 

 魔術師のジーノも所属している学校ですね。

 

 一見関わりがなさそうですが、彼女はドロシーがさんざん迷惑をかけた魔女連盟の代表であると同時に、彼女が管理する魔法大学には知り合いもいるという。

 続編が出たらまさかの学園編がスタートするかもしれません(嘘)。




◆嵐の魔女

 本編には名前だけ登場。

 タロットカードの「恋人達」担当。

 

 本名は「ライラ」と「アイリス」の双子の魔女。使える魔法は天候操作。

 海流を操作できる深海の魔女(「吊られた男」担当)とは天候操作仲間で仲が良い(意味深)。

 

 ……ぶっちゃけ双子ってだけで名前が出てきた魔女たちです。

 雪を操れる主人公とも天候操作仲間になれるかも?




黄昏たそがれの魔女

 本編には名前だけ登場。

 

 この世界で異世界召喚が廃れている理由です。

 異世界召喚の術式をほんのちょっとでも「見た」人物の下に現れて、殺害します(シンプルに怖い)。

 

 時間の流れが狂った「黄昏の森」を縄張りとしており、それ故に「いつでも」存在する……邪神じゃないのにクトゥルフ神話っぽい魔女(ティンダロスの猟犬的な)。

 

 タロットカードの「塔」担当。

 

 あと、一応黄昏の魔女も、異世界から召喚された英雄の一人という裏設定があります。異世界召喚を憎む理由も納得ですね。

 収容物の元ネタは、恥ずかしがり屋さん。


(追記:登場したのは縄張りの「黄昏の森」のほうでしたね)




 今回はここまで。



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