第76話 【???視点】魔王

前回と同じように、モンスターが存在するようになってからに溯ります。


 あと、注意ですが今回はちょっとやばいかも……。(殺人シーンとかあります。残酷です……。)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ガッシャーン……!!


「……………ぁあ?」


 遠くからなにかを落とす音が聞こえた。


 バカが……!!せっかく???が気持ち良く寝てたというのに、音をたてんなよ。


 ???は、今少年院にいた。万引きとかそんな軽いものじゃない。???は殺人をおかそうとしたのだ。


 だから、少年院の厳しい状況でも、そんなことを一切感じさせないくらいのマイペース。そして、もし???のしていることを邪魔してしまったら、やばいことにあう……そんな噂があって、???には人どころか警備員でさえ近寄らない。近寄ろうとしない。


 誰が???の睡眠をじゃましやがったんだ?あとでお仕置きしないとなー……。


 ドカンッ……!!


 ガンッ……!!


 あぁー………うるせぇ。なんでこんなに音がなっているんだよ。みんなして???の睡眠を邪魔しようってか?………それなら、その喧嘩買ってやるよ。


 ???は、自分の寝室から出ることにした。無論、理由はその音をたてたものに仕返しをするため。


 そして、部屋を出たのだけど、そこには驚きの光景が待っていた。普通なら、みんななら、この光景は残酷なものだろう。


 でも、???は……


「はは……!!」


 喜んでいた。


 これって……………ひひっ…最高じゃん。


 ???が見たものは、いつもの風景でもなにかを落としてしまって誰かが恐れていたとかそんな光景じゃない。???は、人々がナイフ、または包丁を持ってなにか得体の知らないものに向かって戦っている光景だ。


 近くに警備員やらなんやらも戦っているから、ナイフや包丁を持つことを許されたのか。


 …………めちゃくちゃいいじゃないか。


 ???は、素手でその戦場に向かって走った。すると、まずはゴブリンの持っている包丁を奪った。そして……


 刺した。


 グサッ……!!


「あぁー……たまらん。どれだけこの得体の知らないものを殺しても問題ないってことだよな。」


 グサッ……!!


 グサッ……!!


 グサッ……!!


 何度も何度も何度も何度も包丁を刺しては引っ張って殺して、包丁を刺しては引っ張って殺して………を繰り返した。


《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》


《経験値が一定に達しました。》

《???のレベルが1から2に上がりました。》


《経験値が一定に達しました。》

《???のレベルが2から3に上がりました。》


 なんだ……?まぁ、いいや。


 それにしても………


 久しぶりだ。こんなに嬉しいのは。楽しいのは。そして、楽しみなのは。


 感覚が楽しい。殺す相手の嫌がるところを見るのが楽しい。すべてが楽しい。


「………ぁ。」


 終わった……。終わっちまった……。


 少年院にいた得体の知らないなにか……それなら、モンスターということにしよう。化け物の方がいいのか?いや、モンスターの方が言いやすいしそれでいい。


 少年院にいた、すべてのモンスターは消えていた。ほとんどを???が殺したのだ。楽しみのあまり……残りのことを考えていなかった。


 終わった………のか?


 これで……終わり……?


 ピーポー…ピーポー…ピーポー…ピーポー


 ウーーーー…ウーーーー…ウーーーー…


 なんだ、サイレン………


 ……………っていうことは、まさかこの世界全体にこのモンスターは現れたってことか?この少年院だけじゃないってことか?


 それなら、もう警察はモンスターの相手ばかりするはずだよな。






 ……………人間が人間を殺しても、モンスターに殺されたって思うよな。バレたとしても……モンスターの危機のほうが大事だもんな。


 それなら………こいつらも。


 ???は最悪な方向へ向かってしまっていた。邪悪な方向へ。


 ???は、同じ少年院で暮らす者。そして、警備員の方を向いていた。


「おっ、おい。お前。ここにあの化け物はいなくなったんだから武器を置け!」


「……そ、そうだぞ!今回は、例外で許しただけだからな。」


「…………お、おい?」


 なにか言っているなー……。全然聞こえねー。まぁ、どうせ今から死ぬやつのことなんて気にしなくてもいいか。


「……………じゃあ。」


「……ひっ、ひぃ!」


 グサッ……!!


「ギャー!!」


「キャー!!」


 いろんなところから大声を出している声が聞こえる。楽しい。楽しい。すげー楽しい。


 グサッ……!!


《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》

《経験値を獲得しました。》


《経験値が一定に達しました。》

《???のレベルが3から4に上がりました。》


《経験値が一定に達しました。》

《???のレベルが4から5に上がりました。》


《経験値が一定に達しました。》

《???のレベルが5から6に上がりました。》


 そして、少年院にいるすべてのモンスターだけでなく、すべての生き物を殺してしまった。


 まだまだ足りない……!!


 もっと……


 もっと……!!


 そして、この邪悪な存在は街へと出てしまったのだ。








《ユニークジョブ 魔王が???のことをマスターと認めました。》


《???のジョブポイントは消費せず、職業を自動的に魔王へと変更させます。

…………………変更完了。》


《職業が魔王になりました。》


《ユニークスキル 悪魔召喚を獲得しました。》

《ユニークスキル 魔剣召喚を獲得しました。》

《スキル 災厄を獲得しました。》

《スキル モンスターテイマーを獲得しました。》

《スキル モンスター支配を獲得しました。》

《スキル 限界突破を獲得しました。》






《裏スキル……災厄の始まりを獲得しました。》







《…………ザ……ザ………………ザ……ユニークジョブ…………魔王に……より……この人間とのアナウンス接続が解除…………されまし…………………ザ………ザ…ザ…》


《ザー……ザーザザザザザ………ザザザ……ザ………ザザザ……ザザザザ…………》

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