第59話 番外編、技の実演
作者の体調不良のため、番外編というふうにして投稿することにしました。一応、本編ともつなげても問題ないと思うので、本編と思いたいのなら本編と思ってください。番外編だと思いたいなら、番外編だと思ってください。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「はいはーい、集まってー!」
「「「イェーイ!」」」
ただいま昼食後。モンスターが存在しているというのに、まるでモンスターが存在していないいつものような空間が戻ったときのようなくらい騒いでいた。
まぁ、ここには凛のお父さんのおかげでモンスターは入らないんだけどね。それに、こんなふうに騒いだりしたほうが、ストレス発散になるし。
……でも、それはそうとしてこれは良くないと思うんだよなー。
「はーい、みなさん。ただいまから、千尋に今まで培ってきたスキルの数々を披露していただこうと思います。実況は、母でーす!」
「「「イェーイ!」」」
「……これ、絶対にしないといけないの?」
「もちろん!」
「………………はぁ。わかったよ。で、お母さん。まずは何から?」
「なんでもいいよ」
「…………すべて僕に投げやりか……」
さてと、できるだけ驚かせてみたいから、すごいスキルを何個か使って終わりにするか。最初に弱いスキル! とかだと、なれてきそうだし、最初に強いスキル! とかでも、最後の方につまんなくなるからね。
まず、目立つスキルを何個かまとめてみるかな。《ステータス》……うーん……これかな?
空間操作、鬼化、転移、アイテムボックス
あー……うん、分かっていたよ。地味なのが多いってこと。まぁ、あんなに多くのスキルを持っていて、でも派手なスキルがこれだけ…………
いや、うん。引きこもりってのはね。そういうものなんだってことにしとこ。よしっ、問題ない。
それで、どれが1番地味だろうか? 転移って結構派手だよね。アイテムボックスは……あれ? 転移とほとんど同じ効果じゃん。
転移はどこからかなにかを持ってきたりどこかに飛ばしたり。アイテムボックスは4次元ポケッ……から、なにかを出したり入れたり。
することは結構違うんだろうけど、結果というものを重視するのなら…ほとんど変わらない……。アイテムボックスはやめとこ。
で、鬼化はしたことないけど、角が生えるのは派手だよね。………でも、それだけじゃない? よし、やめとこ……。
で、空間操作も重量を変えるやつで浮けば結構派手になるかも……!
じゃあ……
空間操作、転移
うん、分かってた。分かってた。みんなに見せられるような派手なスキルがないことは分かってた。
「じゃあ、まずは転移からね。楓さん、こっちに来てくれないかな」
「あっ、うん!」
「転移というスキルを実践するよ。転移っていうのは物や人をどこかに移動するスキルなんだ。じゃあ……」
《転移》
ヒュンッ……
すると、楓さんは僕の左にいたはずが右に移動していた。
「おぉ……! だけど……」
「すごい……! だけど……」
「人外だね。だけど……」
「「「地味ー……」」」
……だからそんなこと言わないで……。本当は分かっているんだよ。転移とかすごそうなスキルなのに、説明を聞いたら物を移動するスキルとか………なんか地味に聞こえるんだよっ……!!
「……つ、次は、重力操作というのをするよ。これは重力を操作することができてね、僕に加わっている重力を−にすると……ほらっ」
ふわっ……
僕は、僕自身にスキルを使って、浮いているところを見せた。
「人を超えちゃっているけど……」
「すごいけど……」
「信じられないくらいなんだけど……」
「「「地味ー……」」」
…………うっ……うっ……そんなこと言わないでよ。浮いていることがどれだけ人外ですごいものであったって……
地味なんだよっ! すごそうに見えてもただ浮いているだけ。飛行機を使わないでも飛べるってだけなんだもん!
こうなったら……!
「地味って……こうなったら……《生活魔法…火》《空間操作》」
そして僕は、悪魔相手に使ったように、生活魔法で小さな火を出して、それを空間操作で酸素を集めて大きな火を出した。
「うわぁ!」
「うぎゃあ!」
「なにこれっ!?」
このあとは、みんなに危ないじゃないかと怒られた……。転移とか重力操作を使ったら地味と言われ、火を出したら怒られる。
…………なんか、悲しい……。
このあと、楓さんが慰めてくれた。天使ですか?
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