第37話 4人と僕の共同戦
「結構ワイバーンは弱っているだろうし、普通に肉体強化で倒せるかなぁ……」
そうだ、ナビゲーター。聞いてもいい? ワイバーンを肉体強化で倒せると思うか?
《えーっと……まぁ、何発かあれば倒せると思いますよ。どうなるかは分かりませんが。》
ありがと。
じゃあ、マジックポイントの少ない今、どうなるか分からなかったけど、なんとかなるだろうな。
《肉体強化》
「……これで、終わりだ」
バンッ
「あ……あれ……? ち………ちょ……」
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「《無音結界》《無音結界》《無音結か…」
な……っ!《ステータス》
「や……ば……」
名前 青柳千尋
人間 LV22
HP 48/48(−24)
MP 54/54(−27)
力 44(−22)
耐久 62(−31)
敏捷 75(−38)
器用 45(−23)
魔力 0(−0)
《省略》
本当にまずいぞ、これは。
もしかしたら、慢心していたのは僕の方だったのかも知れない。もう何発か攻撃すれば討伐できると知って、思わず気が緩んでいたよう。
慢心はしないつもりだったのに……。油断はしないつもりだったのに……。どこかで慢心してしまって、《叫び》を喰らってしまった……。
そして一方、少しくらいあったであろうワイバーンの慢心は、僕の攻撃で消えていた。つまり、立場は……逆!
ど……どうしよう……。
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「あ…………ぁ…やばい……」
考えるのに必死で……相手の目の前で止まってしまっていた。つまり、今の僕は……空きだらけ。
ワイバーンの攻撃が……当たってしまう!そして、弱体化している今、そんな攻撃をくらったら、HP自動回復なんて追いつくことなく、死んでしまう……。
そんなときだった。
「《…………》」
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア………!!!」
どこからか……いや、後ろの方から、小さくスキルを使う声が聞こえた。すると、どうだろうか。
ワイバーンは、急に苦しみ始めた。
「《…………》」
そして、また……いや、なにかその声とはまた違う声が聞こえると同時に、なにかがワイバーンに向かって飛んでいった。苦しんでいるワイバーンは、そのままあたってしまい、さらに苦しんでいる。
な……なんで……?
「《……………》」
そして、また他の人の声が聞こえると同時に、今度は斬撃?のようなものが飛んできた。剣をすっごい勢いで振り下ろしたらでてきそうなやつ。
「グ……ギャ…………ァァアアアアアアアアアアアア………。」
僕は、振り返って後ろを見てみると、そこには4人の生徒、先生がいた。あの、スーパーであったあの……4人だ。
ありがとう……!
この攻撃をみることから、叫びを解除することができたんだろうか?……そうか、4人いるのに攻撃は3人。つまり、最後の一人は……回復役だったのか……。
あ……やばい……。こんなことを考えている暇なんてないんだった……。僕は、一応今も敵のすぐ目の前にいるため、油断はできない。……さっきまでしていたけど。
「……こうなったら、倒れてでも無茶してやろうか。《空間操作…空間重力…僕自身と僕の攻撃!》」
そうして、名いっぱい拳を振り上げて、そして僕は名いっぱいワイバーンに向かってその拳を振り下ろした。
「グギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
そして……ワイバーンは絶命した。僕は、それを確認すると、安心して、意識を手放してしまったのだった。
ありがとう……みんな……!
僕は、心の中で名いっぱいに感謝しながら。
《経験値を獲得しました。》
《経験値が一定に達しました。》
《青柳千尋のレベルが22から23に上がりました。》
《経験値を獲得しました。》
《青柳千尋のレベルが23から24に上がりました。》
《経験値が一定に達しました。》
《青柳千尋のレベルが24から25に上がりました。》
《経験値が一定に達しました。》
《青柳千尋のレベルが25から26に上がりました。》
これで……ネームドじゃ……ないんだな……。やばいな……、ネームドのワイバーンなんて来られたら。
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