How to work of apple factory

しおりさんはポケットからもう一つ赤くて丸いものを

ひょいとだして「いる?」なんて目で僕の方を見た


もちろん。いる「ありがとうございます」とお礼をした

リンゴの工場で働きながらリンゴを買って持ってきたことはかんがえられない


考えられることはただ1つ!


しおりさん。工場からリンゴくすねたな。


さっきニューリーダーが話していた内容の

レーンから流れてくるダメリンゴの選別


そのやり方を残った休憩時間を使って聞いて

理解できた頃にちょうどジリリィィ!と休憩終了の合図が鳴った


さてとやりますか


僕たち日本人はペアとなって1つのレーンの前に来た


このレーンは横幅3メートル程で左からリンゴが流れてきて

15個入る紙の底かつカバーの上にきれいなリンゴを選別して4段重ねる


2段目以降は底がカバーになるタイプのやつだからね


そしてそれを右側にながすとレーン下に

段ボールがあって少し引っ張るだけで


リンゴ4段セットを段ボールの中へ入れられる


ちょっとだけ頭の使ったピタコラスイッチ


そしてその段ボールがニュージーだけではなく海外へ出荷輸出される

日本の静岡県に出荷されるのもあったよ。と

しおりさんがさっき休憩室で教えてくれていた


フィリピン産のバナナをよくスーパーで見るけど

ここでと同じように出荷作業してるのかな


したらバナナの選別ってどうやるんだ?


立派なものではない男の僕はそんな大層な仕事を出来る資格はないなと

左側から流れてくる赤いものを選別しながら思った


「穴空いてるとか色あせてるリンゴとかは

目線の高さにあるこのちっちゃなレーンに流してね」


不備のあるリンゴは僕の首元近くにあるこのちっちゃなレーンに

流し置いた。その流れたレーンの先はどこへ行くのか僕にはわからなかった


「リンゴ、どこにいくんだろうね」 「リンゴ、どこに行くんでしょうね?」


2人の疑問が重なった


「ハモりましたね」


「ハモるって何?」


「いまみたいに言ったことが重なることですよ。

そう言いませんか?もしかして、これが世代の壁か」


「言っておくけど私、まだ26だから」


「そしたら壁まで行きませんね。

世代の風が吹いている?あ、ちなみにこれは」


「バカにしてないですよ?」 「バカにしているでしょ?」


また2人の思考が重なった


「これはハモった?ね」


しおりさんが笑いながら言う


「しおりさん。ハモりって言葉

知ってるってことは同世代ですね」


僕も笑いながら言う


「そうだよ。君と歳変わらないよ」


「そしたらしおりさんじゃなくてしおりだね」


なんて冗談を言ったらしおりさんは冷たい顔で


「いや、本当にそれは無理。」と言った。


ジリリィィ!


見計らったかのように終業の合図が鳴った

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