車を停めて山の上から見たあの海が目の前に広がっていた

上からは見えなかった一枚岩が右目の視界を盗む


海はここから見える距離だが、足を入れるためにはもう少し歩かなきゃいけない

よく日本のビーチで見る歩いてすぐのような場所ではない

もう10分くらい歩くくらいの距離ではないだろうか


それだけ砂浜はまだ先に広がっている


海の方へ向かっていると右目の視界をふさいでた一枚岩がすぐ近くに来た

僕はそっちの方を向いて今は僕の両目の視界を盗んでいる


でっけーーーーー!


僕らよりも、あの海の波よりも高くさっぽろテレビ塔の

無料で登れるとこくらいまである

こんなに大きい岩を人生で初めてみた


本当に海外のネイチャーには驚かされる


外国人は身長高いから自然の山や岩もおっきく育つんかな


もう外国人といい、この岩といい何を食べたらそんなおっきくなれるんだろう...

若干...いや、かなり羨ましく岩に嫉妬してしまった19歳の秋


歩き進みもう少しで海に足を入れられるとこまで来た


さっきの滝もそうだけど次は海!


僕のテンションんは急上昇フルテンだ

もう勇気次第でもうさ、距離なんか自由自在に燃えている


僕はここからダッシュで距離を詰めたいと思っている

高校生の時、みんなでダッシュして海にザブーンなんてやらなかっただろうか


今、無性にそれをやりたい。やりたい。やる


やる前に仲間集めだ


「Hi france Let`s dive to...」(ね、フランス一緒に飛びこも...)


「No!」(嫌!)


間一髪入れない速さで断られた。


ちぇ、したら滝の時といいまた一人か...


ザブゥーーン!と高い波が弾く


こんなに波だって歓迎してくれているのにな


「today is cyclone that`s why the sea is rough」(今日はサイクロンだから波が荒いね)


今日はサイクロンだから波も歓迎してくれていたんだ


けどそんなことは「どーでもいいー!」


だってまだ晴れてるもん。入れるもん


「お願いがあるフランスif you won`t dive」(もしダイブしないなら)


「I WILL NOT DIVE and what?」(しませんで何?)


フランスは一字一字丁寧に断る


「Just hide me」(ただ僕を隠して)


「what?」(え?)


フランスはまだ言葉の意味が分からない顔をしていたが

僕がマンパからパンツを取り出して言葉の意味に気づいたらしい


「what the f○○k!」(何してんの!)


そういって僕の体を隠す


サイクロンの時に海に入る人はいないからこっち側は隠す必要はないが

問題はフランスが隠してくれているむこう側


こっちは観光客がいる


だからフランスに隠してもらうお願いをした


そしてそれが叶った今


マンパからびしょびしょになってるパンツを取り出し

滝での時と逆バージョンで一瞬でズボンを脱いでパンツを素早く履いた


バサッとフランスにマンパを投げ渡して、半分マッパになった僕は砂浜を駆け抜けた


そして走馬灯のようにあの言葉が頭を駆け回る


「汚いイベントを起こさないように気を付けよう」とついさっき思った言葉が


僕はもう全力で砂浜を駆け抜けるしかなかった


そしてその言葉も僕の頭から駆け抜けた

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