ダッシュの先は...
このカバンにキウイを入れてこのバスタブに入れて出して入れて出してを何回繰り返したのだろう。
僕は同じことを繰り返し行っていると
この動作をする為に生まれ生きてきた
これが天命だったのだと思ってしまう。
てか、単純作業はそう思わないとやってられない
どうでもいい事に思考を回してる横で、地球も自転をして1日を夕方へ進めていく。
finiiiish! !!(しゅーーりょー! !!)
supervisorが本日の終業を知らせた
8時間もずっとピッキングをしていたから流石に体全体に気だるさを感じる
あーつかれたーーご飯作るのめんどくさいなぁ。
それでもご飯を作らなきゃ生きていけない僕ら
僕の背丈よりもうんと高いとこにあった母の手を引いてた頃
僕の母は仕事が終わった後でも家族のご飯をきちんと、ちゃんと作ってた
ご飯を作ってもらう
ただそれだけのことなんだけど当たり前のことではなくて、それはありがたいことで
愛をもらってたんだな。と生きてきて19年目にして初めて気づいた
キウイを取りまくって満身創痍の状態で初めて気づけた
よしっ
ガレージ帰ったら頑張ってご飯作ろう。そう思った僕
終礼は今朝集まった駐車場
朝に記入したタイムカードに終わった時間を書いて僕らは帰れるらしい。
finally we ca get back to home !I`m tired !などなど
(やっと家に帰れるぞー!) (疲れた!)
みんなの声が1つの声のようなものとなり聞こえる
「we got money is 128$today that isn`t bad」(今日、128$だったよ。悪くはないね)
その中で聞いたことがあるトムの声が聞こえた
トムは僕に今日の給料を教えてくれた
「thanks for telling」(伝えてくれてありがとう)
そういうとトムはにかっと笑顔で返答した
相変わらず、素敵だ
今のニュージーランドの最低賃金は15,25$
普通に8時間働いたらいくらだ?
暗算ができなかったので携帯の電卓で計算した
15.25×8=122$
今日の給与は128$
うん。
122$より稼いでるから悪くはない。
けど微妙な金額だから、また明日頑張ろう。
家に到着するとみんなダッシュでガレージに向かう。
え、え、え、何があるの?
ガレージから一番最初に出てきた人の手にはビニール袋
僕はバンから歩いて少し行ったところいるのに
ガレージに戻ってからもうここまで来てるって早過ぎる。
fastestの彼女は後ろにだれもいないか確認しながらもう一つの家に向かっている
僕の中の好奇心が疼く
ガレージに向かいながら彼女の持つビニール袋の中を横目で覗いてみた
シャンプー..リンス...あとなんだあれ...
こぶしが2つ入りそうな大きな受け皿みたいな布...
布...
あ..!
それが何かに気づいて、僕はビニール袋から彼女の膨らみに目線を上げる。
どんぴしゃのサイズだ。
ヒートテックのような体のラインの分かる服をきているからすぐ気づいた。
次はその膨らみから彼女の目元まで目線を上げた。
何とも言えない歪めた顔をしてる
「what?」(何?)
「where are you going?」(どこいくの?)
「bathroom」(風呂)
「good」(いいね)
会話を終えると彼女は家の方へ歩みを続けた
袋にシャンプーあったしやっぱりバスルームに向かうんだな。
僕は納得してガレージの方へ向かった
仕事先に持って行ったカバンの中を整理しながらさっきの布のことを思いだす
おっきかったな..あれが海外サイズか...
でもなんであんな顔を歪めていたのだろう?
どっかの名探偵は言っていた真実はいつも1つと
僕は真実を見つけ出すためにさっきの場面のことを思いだす
けしてあの布を思い出すためじゃなくて真実の為だよ?
目線の軌跡を辿ると、袋→膨らみ→目元の順番
あ..!!!
名探偵の僕君は何かに気づいた
この何かの気づきで、顔が熱く動機が早くなっていくのを感じる
フィルターを外していうならさっきの僕の目線の軌跡は、ブラ→胸→顔
人のブラを見て、ブラ所有者の普段覆い隠されている実物を見ようとして
最後にその人の顔見て「いいね」なんて言ってた
恥ずかしい。死にたい。
英語話せないくせにブラと胸と顔を見て「good」なんていいやがった
なんて思われる...
もう寝て忘れよう。僕はベットで横になろうとする。
なろうとするが
8時間も畑にいた臭い体ときしきしの髪の毛
シャワーを浴びて体の汚れを流したい
みんながダッシュでバスルームに向かった意味を初めて理解できた。
理解できたが外にあるお風呂も入れてお風呂は満室
この恥ずかしい感情も全部、流せないまま僕はベットの横で果てた。
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