初めての出勤 (farm ver)
昨夜は途方に暮れながらも、れみさんからファームをする人たちの1日の流れ、時給、インセンティブについて教えてもらえた。
6:30に家を出て7:00に畑について仕事をするらしい。
今日の起床時刻は6:00
25分もあれば支度出来る僕
今日仕事あるか分からないがあることを祈って支度を始めよっと
僕はガレージを出て家の方へ向かった
家の中ではバタバタとそれぞれの朝の生活の音が聞こえる
トースターの音や歯磨きの音
それにフライパンの上で脂が跳ねる音だって
ファームで働いてるのは自分を入れて6人だから
6人それぞれが生活の音を奏でている
僕以外はアメリカとか西側のアジア生まれじゃない人たち
パンを朝食に選んでいる人しかいない。
正直、僕は朝にパンは許せない。
朝は1日が始まる1番最初の時間、大事な時間
その時間にパンなんて、手軽に済むものを食べるなんて朝から手を抜いてる。ありえない。
僕らは日本人で、外国人でもないのに
日本のソウルフードはお米だし米じゃないと魂を売ってるようなもん
だから僕は圧倒的なご飯派
時刻は6:25
そろそろバンに乗り込む時間
今日は仕事があるみたいでメンバーが続々にバンに乗り込む
僕も続いて食パンを口にバンに乗り込む
時間のない朝にパンは楽で美味しくて好きだ
え?
だってここはニュージーランドだよ?
僕は今じゃ外国人になってるしなによりここは日本じゃないからね?
僕は食パンを頬張って少し幸せな気持ちで現場へ向かう
「we arrived 」(着いたよ)
揺られたのは20分くらいだろうか。
でも体感はもう少し長い。
だって...
ドライバーは18歳のトム
生まれはドイツ、フォルクスワーゲンの国
みんなが知っての通り、左ハンドルの国
ニュージーランドは、日本と同じ右ハンドルの国
だから、ドイツ人からすると右左が逆
そう、走る道路はもちろんウィンカーなど細かいもの全ても逆なのだ
そのおかげで、18歳のドライバーは走る道路を間違えたり
左手でウィンカーを上げようとするけど、そこでは上げることが出来なくてノーサインのまま右折したり
れみさんの運転も怖かったけど、このジャーマンも違うジャンルの怖さ。
ここが車が数台しか通らない田舎道でよかった
きちんと運転してよ。と思うノーライセンス自分
ノースキルの自分は思うだけで口にしなかった。
「 wrong way! Here isn’t Germany ! Tom 」
(間違えてるよ! ここはドイツじゃないぜトム!)
なんてドライバーライセンス(免許証)を持つ他の人が
きちんとツッコミをいれてくれたから必要がなかった
車が少ない田舎道を飛ばしたぼくらは少し早めに現場に着いた
バンから降りて、初めての海外の農場を目にする。
この目に映るすべての景色がこのキウイ畑だ
畑の広さは東京ドーム数10個分にもあたる日本じゃありえない面積で
これが第一次産業が盛んな国
生い茂るこのキウイ畑の果てはこっからじゃ見えない
地平線のように自分が今見えている景色の限界の
いや、その限界の先にだってキウイ畑が広がっているようだ
その風景は、壮大で、寛大で、言葉という言語で表せないくらい
心から熱いものを感じる景色だった。
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