初めての本音
AM8:00 部屋に鳴り響くアラームが頭にも響く
お酒を飲んだお陰で廃墟に1人でも怖くなかったが、その代わり体はまだビールに溺れている。
やっぱりお酒に逃げるのは良くないことだと身をもって実感した。
この状態でも仕事は仕事だ。
正直、親方は見てないから遅刻出来る。が
見てないからこそきちんとしたい僕の性格
遅刻なんてしない
現場には on time で時間通りに着いた。
流石、僕だ。栄誉を称えよう
優しい親方のオーダーは普通にやれば終わる内容なのでお昼には終わらせることができた。
親方、僕の出来るレベルに合わせてくれたって、意外と自分のことを見ていてくれてて嬉しかった
お昼からは親方がこっちに帰ってきて、仕事がちゃんと終わってるのを確認しご褒美にと飲み物を渡してくれた。
一際目立つ黄色いのが僕の視線をまた奪う
「ふつーのやつじゃないですか...」
まぶしい笑顔で「そうじゃ」なんていう。
憎めない。
親方が帰ってきていつものように仕事をして
なんなく今日の仕事が終わり家に着いた
ここで働いてから3週間くらいは過ぎていて一応、仕事に少し慣れてきたところだ
ニュージーランドに来てからは1ヶ月ちょっとだが今まで見たことない物・仕事・人に会って1日1日が新鮮ですごく長く感じた。
歳をとると一年が短く感じるのは特別が当たり前になったから刺激が少ないからだと思う。
ワーホリする前の大学生の自分がそうだった。
気づいたら時間が過ぎていて、でもその中身はイースト菌が膨らましたパンみたいにスッカスカ
これは悪い菌だ。
大した日々を送ってないのに時間が過ぎると色々あったなと思う。それに充実なんて名前を付けて
自分というキャラクターを操作して人生を遊ぶなら、頭を使って楽しい音のする方へ出向いて
自分から行動した方がもっとこのゲームを楽しめるんじゃないかと
だから今の僕はワーホリというアイテムを使って人生を遊んでいる
今まで聞いたことのない音を聞いて楽しめている
けど
行動した者だけがわかる。
新しく行動することは怖い。また体力を使う。
今までの安定を捨ててまだ見ぬ世界へ行く。
その先の色は何色なのか、それは七色なのかモノトーンなのか飛び込まないとわからない
これが正解なのか不正解なのか
今欲しいその答えは未来しか教えてくれない
本当に新しいことをするのは怖い
でも...
僕は...
この安定を捨ててまだ見ぬ世界へ行きたい。恐いが行動しないのはもっと怖い
持っているのは恐怖だけじゃない。勇気と好奇心もいる
説教染みた本音が漏れたのはお酒のせいにしてもいいだろう
二日酔い、なんてめんどくさい事にならせたんだから。
でもこれから話すことはお酒のせいなんて逃げたりしない。
僕は秘める思いを伝えるために親方の部屋へ向かった
部屋の扉を三回ノックして言う
「親方、話があります。お仕事辞めさせてください。」
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