132話 またまた転校生!?

 学校についた後、席に座って考える。


 魔界から帰ったあと、俺の気絶した理由が分かった。


 あのとき、俺が何かの条件を満たしてしまったようで、強制進化が始まったのだ。


 急激な変化に耐え切れず、気絶したのがオチだったようだ。


 それと、魔物の出現防止のために魔界の魔力全てをエレナに”捕食”させた。


 パワーレベリングでの仕事した報酬として、転移のやり方も教えた。


 つまり、エレナは【無限魔力】と【時空間魔法】を習得したのだ。


 あいつは、何処まで強くなる気なのだろうか・・・・


「えー。これよりHRを始める。早く席につけ」


 気が付けば、先生がHRを始めていた。


「今日は転校生が来たぞ」


「はいはい!せんせー。女子ですか?男子ですか?」


「女子だ」


「「「「「おおおおぉぉぉぉぉ」」」」」


 転校生が女子だと知ると、盛上る男子。歓喜に溢れていた。


「珍しいね。この時期に転校なんて」


「そうだな」


 後ろから声をかけてきた美香に返事をする。終始、不思議そうな顔をしていた。


 それにしてもこの時期に転校か。珍しい、誰なんだ?


 ガラガラガラ


 教室の扉を開けて入ってくる女子生徒。


 スラリとしたに、黒い大きな瞳。制服の上からでも分かる胸の大きさに、整った顔立ち。


 男子達が歓喜するまでに、時間はかからなかった。


英玲奈エレナです。よろしくお願いします!」


 入ってきた人物が自己紹介をするとー


「「「「「美少女降臨だぁぁあああああ」」」」」


 一瞬の間を置いて、男子達は狂喜乱舞したのだった。




 ★☆★☆


 昼休み


 それは男子達が女子生徒を誘う絶好の時間。


 普段関わりの無い人でも、ご飯を誘う事で仲良くなるキッカケとなるのだ。


 そんな中、2年のとあるクラスには美少女がいた。それも4人。


「無視られた.....」


「そっちはどうだ......」


「やっぱり駄目か....」


「全敗だ.....」


「相手にすらされなかった.....」


 その美しさに惹かれ、まるで”街灯に群がる小虫”のように男子達が一生懸命アピールをするが、全て玉砕した。


 因みにその美女とは、狂歌達のことだ。思わず殺気が出そうになる。


「ヒッ」


 おっといけない。少し殺気が漏れてしまったようだ。


 ”ワンチャン”あると信じて疑わない男子達の行動にイラつきを覚えながら、俺は教室を出る事にするのだった。




 ★☆★☆


 屋上では


「・・・・・・(モグモグ)」


「ねぇ、あなた?」


 弁当を静かに食べていると、狂歌が髪を耳にかけながら、上目づかいで下から覗き込んできた。


 うん。色っぽいな。2人っきりだったら絶対に襲ってしまいそうだ。


「......なんだ」


「......もしかして......怒ってる?」


 ぶっきらぼうに返事をすると、心配そうな目で確認してくる狂歌。他の面々も同じようだった。


「別に.....嫉妬とかしてないし.....」


 分かるように、言葉にしていうとー


「ふふ。嫉妬してたのね」


「シンジ君が機嫌悪いの、嫉妬なんだ」


「兄さんが嫉妬してる」


「マスターの嫉妬」


 何故か顔を見合い、嬉しそうにする4人。


「で?なんでエレナが学校に居るんだ?それに”フォール”って名前はなんだ?」


 話題を変えるように、さっきから思っていた疑問をエレナに問いかけるとー


「えっとねー。英語で?秋って意味らしいから、それにしたの。マスターの苗字から取ったんだよ!あと、これどう?制服似合ってる?」


 顎に人差し指を当てながら答えるエレナ。


 その場で立ち上がったかと思うと、一周して制服姿を見せてくる。


 お、今日は赤なのか。


「そうか、結構似合ってるぞ」


「えへへ、嬉しい。学校でもマスターと一緒に居たかったから、”無断侵入”して教員達全員”洗脳”してきたんだよ!」


「ぶーーーーー」


 その衝撃の答えに、思わず飲み込んでいたお茶を吐き出してしまったのだった。

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