83話 新たな希望

「【捕食】暴走解放」


 最後の希望が潰えた。


 もう何も残っていなかった俺は、その場で暴れた。


 せめてここから脱出したい。


 魔法を撃ちまくり、空間から出ようとする。


 破壊し、全てを喰らい尽くす。この空間を。


 しかし何も変化が起きない。


 ここは完全に遮断された空間だ


 脱出することは出来ない。


 だから、もうどうでも良くなった俺は


「【憤怒】暴走解放」


 憤怒も同時に発動させた。


 両方の効果を更に引き出し、俺は更に暴れたのだった。




 ★☆★☆


「ハァハァ......俺は何を......」


 捕食と憤怒の暴走解放がきれた。理性が戻り、その瞬間冷静になる。


 どれだけ暴れても、どれだけ魔法をぶつけても


 結局は変わらなかった。『狭間の空間』からは出られない。


「もう俺には何も.....残って......」


 その場で膝を抱える。


「いや.....エレナが.....まだエレナがいた.....」


 思い出す。大事な仲間を。


「会いt」


 言いかけた所で突如胸に痛みを感じた。


「ガハッ!」


 代償がまた現れたのだ。身体中が引き裂かれそうな程の痛みを感じる。


「がぁぁあああああああああ」


 しばらく耐えていると痛みが引いた。



 そして同時に


『【空間魔法】を習得しました。』


『【時魔法】を習得しました。』


『2つの魔法が統合され、【時空間魔法】へと進化しました。』


 と脳内へと文字が現れる。


【解析】をすると


【時空間魔法】…時と空間を操ることが出来る魔法。範囲が広がるほど、比例して膨大な魔力が必要となる。



「ふ......」


 この文字を見て



「ふふふ.....」


 理解した



「ふふふふふ......」


 ここから抜け出せることに



「あはははははははははははは」


 その場で狂ったように笑う



「ここから出られるぞ。」


 ミツケタ



「上手く行けば-」


 新たな希望を



「あいつらも-」


 だから



「生き返らせることが出来る。」


 ここから



「エレナにも会える。」


 抜け出すことにした



「時空間魔法-『空間侵略アグレッション』!」


 魔法を発動させ、俺は『狭間の空間』から出ることにしたのだった。

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