74話 僕は『朱雀』

 読者様へ:ステータス表示やってみました。章の終わりにあるネタバレ注意の所、もしくは、8話・9話・10話・12話・14話・21話・58話などを是非見てみて下さい。(解析は格上相手には使えません。)


 ???視点


「ん?生命反応が消えたね。玄ちゃんまでやられちゃったか。」


 再び目を覚ますと、それは一人呟いた。


「【重力魔法】に苦戦すると思ってたんだけど。僕の予想外れちゃったか。残念残念。」


 残念残念と言いながらも、それは面白そうに喋る。


「重力魔法で相手の動きを封じてから、最大火力の一撃必殺。それを打ち破るなんてね....それに....更なる新入りの誕生....イレギュラーな存在がまた現れるとは....」


 それは、少し考える素振りをみせるが


「まぁ僕には同胞が殺された理由が分からないな。けど、順番的に次は僕だろうね。」


 頭を振ると、すぐに考えることを辞めた。


「僕からは攻撃しないけど、そっちから狙ってくるのなら容赦はしない。言っておくけど、僕最強だからね。」


 それは一人で呟くと、再びに眠りにつくのだった。




 ★☆★☆


「少し熱いな。」


「そうだねマスター。」


 そこら中にあるマグマから溢れ出る熱気に少し汗をかく。【隠密】【気配完全遮断】などの能力を使って、現在人型狼の状態で登山している最中だ。といっても体毛は無いが。


 バレないように行動しているが、多分気付かれるだろう。


(進化したおかげであまり熱は感じないな。)


 前回来た時にタイミングが悪く、大火山の山頂まで到達できなかったのを覚えている。『朱雀』がたまたま起きていたのだ。攻撃を仕掛けようにも力量差を見極め、諦めて帰ったのを覚えている。


【状態異常無効】を持っていたからとは言え、大火山に近づけば近づくほど熱気が増していくのだ。


 普通の魔物ならば、登山してすぐに呼吸しただけで肺がやられて死ぬだろう。それほどの熱気だ。【無呼吸】を持っていて良かった。


「エレナお前は平気だよな?」


「うん。私は呼吸する必要が無いからね。問題ないよ。」


 心配になり声をかけてみたが、どうやら杞憂だったようだ。


「それにしても凄い魔力の波動だな。」


「流石は最強だね。」


 大火山の中から物凄い魔力を感じる。きっと朱雀なのだろう。


(死ぬ気でやるしかないな。)


 覚悟を決めて更に登るのだった。




 ★☆★☆


 朱雀視点


「ん?勝手に僕の縄張りに誰か入ってきたね。それもイレギュラーな存在が2人。」


 もう少し寝ていたいけど、起きないと。新入りには舐められたくないからね。


「僕の許可なく勝手に縄張りに入ってくるなんてね。」


 ムカつくよ本当に。ここから出る準備をしないとな。


「隠蔽や遮断の能力を使っても意味ないよ。だって僕は最強だからね。」


 マグマの中にいる僕は、急いで地上へと出ることにした。

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