「父ちゃん日記(11/16−11/18)」 2015年12月23日
2015/11/16
妻から動脈管開存症の症状は治まったとの連絡。ハルを連れ朝から病院へ。なかなか担当の医師が現れずイライラ。ハルも飽きる。
ようやく医師が来て、話が始まる。目の吊りあがり具合、筋肉の緊張が弱い、首の周りの皮が余っていることから、ダウン症の可能性があるとのこと。
そうか〜、仕方ないけど少し残念だな。ナツ、かわいそうだな…。
あれ?
かわいそうなのか?まぁ、ダウン症だとすると普通の人とは違うよな。と思う。
夜に妻とLINEでやりとり。妻は予想していなかったらしい。でも、あまりショックは受けていない様子。「ハルも父ちゃんも普通じゃないし、その延長(笑)」だそうだ。それに可愛いからいいらしい(笑)
明後日の血液検査で採取する血液を分析し、検査結果は一ヶ月後とのこと。結果いかんにかかわらず、幸せになれるように力を貸す。親としてできることはそれ以外はない。
親戚にはとりあえず伝えない。誕生で浮かれている間はそのままにしておこう。妻も、すぐに命に関わる病気ではないから安心したと言っていたが、まあその通りだな。
2015/11/17
昨晩ふと目がさめたとき、全部夢だったら良いのになと思った。そんな風に思ってしまう自分が嫌だ。
生まれてきてくれただけでありがとうって思いたい。朝、子どもの出産にぶつかってしまっているから少し発送を遅らせてくださいと連絡していたヤフオクの取引者に連絡。誕生おめでとうと言うメッセージをもらうが、本当におめでたいか微妙…と思ってしまう自分がいる。
まだ一緒にいる時間が短いから愛情が出てこないのかもしれない。そういえばハルの時も、心から喜んだというよりは、厄介ごとが増えちゃったなぁという感想だった気もする。冷めた親というか、希薄な愛情というか、臆病者というか。
昨日の朝から無呼吸状態がある気がすると妻から連絡。新生児には普通にあることだと医師から説明されたが、昨晩はモニターをつけたまま寝たらしい。妻は寝不足。モニターの結果が曖昧だったこと、それに加え新生児黄疸が見られることから光治療と呼吸モニターをするためにNICUへ。
病院に行き、NICUに見に行くが、特に変わりはなさそう。口笛を吹くと笑ったような気がした。目のつり上がり具合は、寝てばかりいて目を開けないのでよくわからない(目を閉じていると普通に見える)が、やはり首の皮が余っていたりする。指はむしろ長いが、握力は弱い気がする。
そんなこと、いちいち確かめなくても、遺伝子検査すれば全てが明白になるし、ダウン症は治る病気ではない(病気ですらない)。確定すればそれを受け入れるしかない。ただ、逆に、確定されるまでは希望を持ってしまい、鬱々(悶々?)としてしまう。
NICUで黄疸などの経過と予定について話を聞く。呼吸については今のところ特に問題症状は見られないそうだ。
ダウン症だと結婚することはできないのかな?とか考えると、幸せになれるのか?と思ってしまう。
「幸せの形」を色々と考えないと自分の心の整理ができない。幸せか不幸せかなんてその人の気持ち次第だし、普通の人生じゃないから不幸だというわけでもない。かもしれない。
自分自身だって、普通とは違うし。それでも不幸ではないし。それでも、努力しても届かないっていうのは不幸な気がする。でも、でも、何かに届くことが本当に幸せなのかもわからない。
生まれてきただけで幸せだと思うのが正解なんだろうか。生まれてこなかったよりはずっと幸せだとは思う…。
2015/11/18
親戚からばあばに電話があり、ナツが父母どっちに似ているかとか、少し小さいとか、話題に上がっていた。おめでたい。そりゃそうだ。二重瞼なのは病気のせいかもしれないんだよ。と思ってしまう。ダウン症をネットで調べていると、いろいろな記事に出会う。その中の言葉。
『社会的な成功だけが、価値の尺度ではない。』
これって、自分のことじゃん。と思った。
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