>>Rain maker

Mっこラーメンの緊急事態

駅前の「Mっこラーメン」なる店で、腹ごしらえ。

(※Mは地名の伏字なのであって、新手のラーメン風俗ではない。)

チャーシュー麺と焼き飯のセット、それに餃子も食べたい気がしたので、

追加で、ほろ酔いセットなる、生ビールと餃子のセットまで綺麗に平らげた。

会計を済ませ、店を出たところで、携帯が鳴る。

メールだった。

件名には「緊急事態です!」とある。

本文の内容をかいつまむと、

・父親が夕べ、突然倒れたこと

・今のところ命に別状はないが、しばらく入院生活を強いられそうなこと

・詳細については追って、母が病院から帰宅次第、私に電話が掛かってくること


実姉からのメールだった。

命に別状がないと言い条、差し迫る緊迫感は拭えない。

2005の夏に帰省をしてから、一度も顔も見ていないし、電話で数度、話をしただけの親父。

いつかは死ぬのだろう、死んだ後、自分はどうするのだろう?

死んでもなお、郷里から350マイルも離れたこの地で暮らし続けることになるのだろうか?

そんな遠い未来の、自分の将来ながらもどこか他人事にしか思えなかった現実が

今まさに眼前に押し寄せようとしているのか?

首を横に振り、メールに返信をする。

「了解。今仕事が終わって家へ帰るので、電話は9時過ぎが良い。」


仕事が終わったというのは嘘だった。

まさか、今ホテヘルを出て、飯を食い終わったところだから、

実の姉に言えるわけない。

コンビニの軒先に設置されている灰皿の前に立ち、店内で購入した、

缶入りのウーロンハイを開け、呑む。

明日は仕事へ出る予定ではあったのだが、朝一の新幹線に乗り、3年ぶりに帰省することを

すでに即決していた。

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