異世界転生のプロローグ

死ぬのか?


俺は死んでしまうのか?


別に順風満帆な人生でも、不幸な人生でもなかった。だけど、ここで俺の人生が終わるなんてありえねえ。


俺はそう思いながら、自分の意識が朦朧としていくのを感じた。



いったい、どんな状況?



たしか、いつものように仕事へ出掛けて、営業であちこち回っている最中だったはず。そしら、突然トラックが俺に向かってきて……。


そうだ。


そのまま、トラックに跳ねられたんだ。


そうだ。


俺はトラックに跳ねられて……


「はーい♥️そうでーす♥️あなたは死にました🎵 えへっ」


そのとき、突然俺の目の前にひとりの子どもが現れた。年は十歳そこそこの子どもで無邪気に笑っている。


「だれ?」


「レイねえ。レイだよ」


どうやらレイという名前らしい。


「レイは神様なの」


「神様?」


「うん。次元の神様なの。それでねえ。君にしつもーん」


おいおい、勝手に話進めるなよ。


こらっ


「君はいま死にました。だから、生き返ることないからね。それはわかる?」



「げっ、まじで?」


「まじだよーん。レイの力で生き返らせることもできなくはないけどねーー。でも、君の体ぐちゃぐちゃだから、生き返っても動けないよ➰。痛いだけだよーん」

いやいやいや


やめたくれよ。


考えたけもねえ。


「だから、君は転生するしかないわけなのーん」


「はっ? 転生?」


なんかどこかで聞いたようなネタだなあ。


転生?


要するに輪廻転生というやつか?


要するに生まれ変わり


「ううん。輪廻転生じゃないよーん」


「はい?」


「輪廻転生はあ。同じ世界での転生のことなの。レイがいっているのは別の世界での転生のこと。いわゆる異世界転生だよーん」


そっちかあ。


ラノベの定番じゃねえか!


つて


まじで?


まじでそんなことあるのか?


ラノベの話だよね?


なあ


「それよりもやる? 異世界転生」


「はい?」


「まあ、選択肢はないけどねえ」


「はあ?」


「要するに君は異世界転生しかできないってことだよーん」



「だったら、聞くな!!」


「そういうことで異世界転生しまーす」


そのとき、突然俺は落ちていった。


「うわうわうわ」


俺は落ちていく。


下へと下へと


「がんばってねえ♥️ ちゃーんと世界救わないとだめだよーん。伝説の勇者くん」


最後の言葉に疑問を抱く余裕もなく、下へと下へと落とされる恐怖だけが俺を支配していった。



「オギャアオギャア」


気がつけば、俺は産声をあげていた。





───────────


異世界転生ネタをいくつか読ませてもらったけど、


だいたいプロローグってこんな感じな気がする。



それから主人公が勇者になっていって世界を救うんだよな。



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