第百五十五話 緊急事態な件
「不破ぁぁぁぁ!!!」
ベンチにいた守は一目散に不破の元へ走り出した。
「触るな!! 頭を動かすな!!」
守の動きをみて、若林が咄嗟に大声を上げた。
「若林君の言う通りです。下手に動かすのはダメですよ千河君」
「おい一年!! 急いでタンカと氷を用意しろ!!」
若林が皇帝のベンチに向かって大声で指示をした。ベンチ内の一年生たちは慌てて準備を行った。
「監督さん……申し訳ありません。大事な選手を……」
若林はすぐ側にいた上杉監督に頭を下げた。
「仕方ないですよ、これは事故です。ひとまず臨時代走を出しましょう。氷室君、ランナーに出てください」
臨時代走のルールで打順が一番遠い選手が出る為、氷室が再びランナーに出ることになった。
「千河君、次の回からセカンドに入ってください。キャッチャーは駄覇君を入れます。ピッチング練習も行っておいて下さい」
「……わかりました」
タンカで運ばれる不破を見送ったのち、上杉監督と守はベンチに戻っていった。
「中谷、今回はここまでだ。ベンチに戻ってダウンしろ」
若林が中谷の背中を軽く叩いた。
中谷は肩を落としながらベンチに戻っていった。
皇帝は二年生ピッチャーに代わった。
続く青山、風見は共に練習の成果を感じる強い当たりを見せるも、共に正面の打球で、ゲッツーと内野ゴロでスリーアウトとなった。
四回裏 終了
皇帝 ゼロ対二 明来
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