第489話 創作物の正しい在り方
創作物の正しい在り方とは、現実とリンクした形だと思います。
たとえば、映画館に映画を観に行って、面白くて、それで、ああ、束の間の現実逃避ができた、明日からまた現実と向き合わなくては、と感じるようであれば、それは映画の正しい在り方ではないということになります。正しい、正しくないというのは、個人的な判断にすぎませんが、自分の考えとしては、創作の世界と現実の世界が切り離されている点に問題がある。創作がそれだけで完結してしまっているのです。
創作の世界と現実の世界を混同しろ、といっているのではありません。創作の世界と、現実の世界を、リンクさせるのです。だから、上記の例でいえば、たった今観た映画を現実の一部として認識するのでなくてはならない。そこで得られた発見や感動を、所詮作り話だから、と投げ捨てるのではなく、丁寧に両手で掬っておいて、自分にもこういうことができるかもしれない、ああいうふうになれるかもしれないと、そう考えるための勇気を与えてくれるものとして、丁寧に梱包された状態で保存しておくべきなのです。
映画に限らず、創作物であれば何でもそうだと思います。作り物だから、と切り捨てずに、作り物でも、と包容する勇気がまずは必要になりますが、それができる人は少ないかもしれません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます