第443話 コミュニケーションは複雑
結局のところ、人間のコミュニケーションは、理論や理屈ではないところに収束するように感じる。今ここで述べていることは、幾分論理的ではあるが、あくまで論理「的」であるだけで、本当の意味で論理的かと問われると、黙って頷くわけにはいかない。
誰かから手紙を貰って、それを論理的に解釈しようとする人はいないだろう(いても良いが、コミュニケーションが上手くとれない可能性が高いのではないか、と予想する)。手紙を読む際には、そこで展開される事柄の論理的な解釈よりも、送り手の気持ちを判断する方に重きを置く。「会いたいけど、会いたくありません」と書かれていた場合、論理的には矛盾しているのだが、気持ちを判断しようとすれば、理解できるはずである。
また、沈黙というのも、一つのコミュニケーションであるように思える。言葉で伝わらなかったら、最終的には沈黙するしかない。黙ることも、意思疎通のために一役買うことがある。よく「無視する」と言うが、無視とは、見ないことではなく、話さないことである。しかし、口を開かないこと、話さないことで、伝わるものがある。
人間のコミュニケーションは、複雑である。
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