第379話 始まりと終わりは自分で決める

 物事の始まりや終わりは、自分で決めるのがベストである。「初回〇〇」や「最後の○○」などといった謳い文句があるが、それは外部によって決められたスタート、あるいはゴールだから、自分にとってもそのタイミングが相応しいとは限らない。人間の習性としては、そういうふうに言われると「今やらなくては」と思ってしまうが、本当に今やらなくてはならないことは、案外少ないということを念頭に置いておく必要がある、と思う。


 何かを始める、もしくは終えるタイミングを決めるのは、横向きに流れていく時間という線の中に、点を打つ行為だといえる。これは意識的な動作であることが多い。たとえば、毎朝目が覚めて、布団から起き上がったら一日がスタートするわけだが、その際に今日が始まったと意識することはあまりない。けれど、新しく何かを勉強し始めるときには、今日から始めるという意識がはたらく。これは、何を「始まり」として捉えるかを決める能力が、我々に備わっているからではないだろうか。


 だからこそ、始まりと終わりは自分で決めた方が良い、と個人的には考える。外部から決められることは、能力の放棄に等しいからである(なんとも唐突な結論)。

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