第345話 面白さの根底にあるもの

 面白さとは、差と共感から生まれる、と書かれた本を読んだことがある。面白さというなんともぼんやりとした感覚を、実に巧妙に指摘していると思う。


 差というのには色々あるように思える。たとえば、ミステリーものでいえば、予想していたのとは犯人が違っていた、というのも一つの差といえるし、もう少し幅広くいえば、こんな作品は見たことがないと感じるのも、差であることに間違いはない。


 一方で、共感というのは、あまり意味が分化しないように思える。単純に、ああ、なるほどな、と思えれば良いわけで、この共感というのは、生き物の性質だと考えられる。共感する、されることで、同族間での結束が高まるからである。


 上記の二つの要素を兼ね備えていると、面白い、と感じるということだが、これは創作物に限った話ではなく、人物にも共通していえることだと思う。一般的な指標とは差があって、でも共感できる部分がある人は、面白く感じられるということである。

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