第343話 カテゴリー錯誤

 レベルが異なるものや概念を同一に扱うことを、カテゴリー錯誤というらしい。


 たとえば、パンダとライオンを並べるのは正しいが、パンダと哺乳類を並べるのはカテゴリー錯誤に該当する。パンダとライオンはともに哺乳類というグループに属するものだが、パンダと哺乳類は同一のグループに属するものではなく、レベルが異なるカテゴリーに属するものだからである。したがって、哺乳類と両生類を並べるのは正しいということになる。


 考えてみれば当たり前の話だが、意外とこういう間違いはしやすいように思える。英語の教科書を開いてみると、基本的な文型の説明に「主語+動詞」と書かれている。「語」という概念と「品詞」という概念は別のものなので、これらを並べるのはカテゴリー錯誤だといえる。主語になれるのは名詞なので、「名詞+動詞」と書くか、あるいは、動詞は述語になれるので、「主語+述語」と書くのが正しい。ただ、この場合は、SV文型について述べるために、動詞ということを強調するという趣旨があると思われる。


 一度カテゴリー錯誤をすると、それ以降の理解に支障を来すので、なるべく早い内に気がつきたいものである。

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