第323話 具体的な数字に意味がない場合

 どんなものでも、無限に細かくすることができる。ノートに定規で線を引いて、その線の間にいくつも点をとることができることを確認すれば、すぐに分かることである。また反対に、ノートがある限りいくらでも線を引くこともできる。ここから、どんなものでも、無限に大きくすることができることが分かる。


 物理的な何かを作る際に、それが自分にとって最適なサイズにするために、一つ一つの部分の大きさを数字で処理していたら、いつまで経っても完成しない。たとえば、手作りの箸を作ろうとした際に、長さを二十センチと決めたあと、これでは趣がない、自分にぴったりのものを作らなければということで、定規を使って二十・五センチにしたら、今度は二十・五〜センチにしなくてはならなくなる(したくなる)。


 日常的な生活の中では、物理的なものを処理する場合、具体的な数字はそこまで重要ではない。上記の例でいえば、二十・五センチちょうどであろうと、二十・五〜センチであろうと、箸として機能することに変わりはない。この、現実でどのような効果を発揮するか、きちんと使えるか否かという点が、最も重視されるべき点だと思われる。

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