第322話 最高の評価者は自分

 多くの作品は客のために作られているので、客が面白いと感じれば、それで良いと思われる。


 小説にも、映画にも、必ず何らかの専門的な評価者がいるが、そういう人の言うことは、自分が作り手ではない限り、あまり気にしないのがよろしいと思う。現代では、作品の多くは商業的な目的で作られており、その目的の向かう先は、消費者、つまり一般客だからである(商業的な目的だけで作られている、とは言っていない)。なので、自分が消費者であるのなら、手に取った作品が、自分にとって面白いと感じられれば、それで良い。


 専門的な評価者の意見を聞いて、その人が面白いと言っているから面白い、という認識をするのはやめた方が良いと思う。そもそも、面白いと感じるのに理由はいらないわけで、これこれこういう理由で面白い、と専門家が言っていたからといって、それが自分が感じた面白さと合致するとは限らない。


 どんなときにも、最終的に信じられるのは、自分の感覚だけである。どれほど社会的な評価が低いものでも、自分が良いと感じたのであれば、それだけで良い。

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