第311話 無意味な主張〜社会人〜
「私は社会人です」と主張することは、「私は地球人です」と主張することと大して変わらない。
考えてみてほしい(という言い出しは、たぶん、初めて使ったと思う)。社会とはどこのことだろうか。どこまでが社会ではなく、どこからが社会になるのだろうか。社会人といっても、就いている職業は数多あるわけで、その中で「私は社会人です」と主張する意味はどれほどあるというのだろうか。
一方で、「私が地球人です」と主張する方が、まだ意味があるといえる。地球というのは一応定まった範囲を示しているから、その中の一人だと主張することは、所属を明らかにするという意味で間違ってはいない。しかしながら、あなたが地球に住んでいるという情報には何の価値もないわけで、だからこそ、「私は社会人です」という主張と、「私は地球人です」という主張は、同等のレベルだといえる。
では、「私は暇人です」と主張する場合はどうだろうか。この主張には情報として一定の価値があると思われる。ただ、やはりどこか漠然としていて、そこまで意味のある主張だとはいえない。
以上の三つの主張の価値関係を表すと、以下のようになる。
「私は暇人です」>「私は社会人です」≒「私は地球人です」
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