第208話 値引きは価値の低下

 特に買うつもりはなかったのに、一度に二つ買うと一つずつ買うよりも安くなるというセールが開催されていたから、ついつい二つ買ってしまったということはよくあるが、これは得をしているとはいえないと思う。


 食パン一斤が九十八円で売られていて、一度に二つ買うと百九十円になるというセールの場合、一つずつ買う場合よりも六円得をするわけだが、これが本当に今自分にとって必要なものなら、その人は得をしたといえる。しかしながら、自分が今まったく必要としていないのに買ってしまったら、それは百九十円の損をしたことになる。なぜなら、買わなければまったくお金がかからないので、ゼロ円の買い物をした場合に最大の得をしたといえるからである(少し日本語がおかしいが)。


 値引きされると安く売られている、つまり得ができると考えがちだが、値引きがされるということは、そもそもその商品の価値が低くなっているということだから、全然得をしたことにはならないし、値引きをされたあとの値段がその商品の本質的な価値ということにもなり、買ってしまったら負けといっても良いくらいである(値引きされている商品がすべて悪いという意味ではない)。

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