第170話 素敵な哲学
哲学とは、答えのないものに何らかの答えを示そうとするものだが、だからこそ面白い、と個人的には思う。
「地球はどうして丸いのか」という問いが出されたときに、どのように答えるかは、個々人の自由である。なぜなら、地球がどのようなプロセスを経て今の形になったのか、確かめることは誰にもできないからである。物理学や地学の知見から、星が衝突して……、と説明するのも良いが、今ある自分の知識を最大限に活かして、それとは異なる答えを出しても問題ではない。
この、答えのないものに何らかの答えを示そうとする、というのが、要は創作物がやろうとしていることだと考えられる。創作物、特にストーリー形式のものが分かりやすいが、この場合、(抽象化してしまえば)共通する事の発端を経て、主人公がどのような行動に出て、どのような結論を出すのかというのが、哲学に当たる。
哲学は、たしかに実益のある答えは生み出さないかもしれないが、実益のないことを平気な顔でするのが、人間という生き物ではないだろうか。
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