第134話 好みと継続の相関

 好きだから続けられる、というわけではない。好きだから続けられないこともあるし、好きではないが続けられることもある。


 何かを持続的に行っている人を見ると、ついつい、ああ、あの人はあれが好きなんだな、と思ってしまいがちだが、そうではない場合の方が多いように思える。たとえば、現段階では、多くの人が一度ある職に就いたら定年するまでその職に就き続けるが、好きだから就き続けるとは限らない。本当は就きたい職業がほかにあったが、自分の能力が足りず、仕方なく妥協してその職に応募したところ、運良く採用されたから、これでいこうと決めた人が大半のはずである(調べていないので、本当のところは分からない)。


 何かを続けたいと考えたときに、それが自分の好きなものだと、好きではなくなったときに続けるのが大変になる。もともと好きだったが、今は好きではない人と一生付き合い続けるようなもので、はっきりいって、苦痛でしかない。しかしながら、最初から好きでも嫌いでもないものを選べば、好きなものを選ぶよりは、続けられなくなるリスクは低下する。


 そもそもの問題として、何も継続的に行う必要はない、と割り切ってしまうのも一つの方法である。

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