第118話 意味の捉え方
某世界的な小説家が、名前を変えて新人作家として作品を発表したら、それほど良い評価を得られなかったが、素性を明かしたところ、急に評価が逆転した、という話があるらしい(本当かどうかは分からない)。そういうことは、実際にいくらでも起こりえるし、現に、日常の色々なところで起こっている。
たとえば、この人の言っていることは絶対に正しい、と思うことがあるが、普通なら、そんなことはありえないはずである。内容の正誤を判断するべきなのに、なぜか、その人が言っているからという理由で、内容の判断を放棄してしまう。ほかにも、この会社の商品だから素晴らしいなどという評価も、同様の思考回路がはたらいているものと思われる。
社会に認識されている形、つまりは記号によって、そこから引き起こされる事象がすべて同じ意味で捉えられる、という話だが、当然ながら、世間にはこれを逆手にとろうと考える人間が沢山いるし、ブランド品など、現代の様々な商品はそういう原理に基づいて売られている。逆にいえば、社会的に認知されている意味を疑って、別の視点から見てみれば、ほかの人は理解しないが、自分にとっては素晴らしいものが見つかるかもしれない。
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