第116話 同じものが欲しい
ありとあらゆる創作物には、共通しているところがいくつもある。たとえば、小説には、ある一定の流れというものがあって、大抵の作品はその流れに準拠している。まず、ある事態が起こり、それに対して主人公が行動し、最後にそれが収束して完了、というのが大まかな流れだが、事態が起こらなければ何も動かない以上、ほぼすべての作品がこの流れに準拠している、といっても過言ではない。
しかしながら、それにも関わらず、人間は一つの作品を経験し終えると、次の作品を経験したくなる。流れがまったく同じで、そこに登場する人物や背景が違うだけでも、どういうわけか、別のものを見たい、あるいは、今したのと同じ経験をしたいと感じる。
そのように感じる理由としては、作品のそうした流れが、動物としての人間にとって何か重要な役割を担っている、というものが考えられる。動物は食べ物を摂取しないと生きていけないが、それと同じで、そうした一連の流れで作られた作品を定期的に摂取しないと、生きていけない。だから、同じ流れであっても、まるで依存しているかのように次の作品に手を出したがる。
流れが決まっているのだから、創作する側は、その流れさえ作れれば良い、ともいえる。
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