第106話 プラスを基準にする習慣
程度を表す際には、どういうわけか、大きい方を基準にすることが多い。「どれくらいの大きさだった?」とか、「どれくらいの高さだった?」とは言うが、「どれくらいの小ささだった?」とか、「どれくらいの低さだった?」と言うことはあまりない。
大きさや高さなど、大小関係を表す場合以外では、基本的に肯定的な方を基準にする。「あの映画、どれくらい面白かった?」とは言うが、「あの映画、どれくらい面白くなかった?」とは普通言わない。ここで注意すべきなのは、面白いの反対が、つまらないではない、ということである。「あの映画、どれくらい面白くなかった?」と、「あの映画、どれくらいつまらなかった?」では、尋ねている内容が異なる。「その西瓜、どのくらい大きくなかった?」と、「その西瓜、どのくらい小さかった?」という質問が異なるのと同じである。大きくなかったからといって、必ずしも小さいわけではない。中くらいのサイズ、平均的なサイズの場合には、大きくもなければ、小さくもないという状態が成立する。
どちらの場合も、言い換えれば、プラスの方を基準にしているといえる。これは、人間が根源的にプラスの方向を望んでいる証拠ではないだろうか(消極的な人間はいない、という主張)。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます