第102話 初心者は量から

 初心者が最も陥りやすいのは、量を積む前に、質を重視してしまうことである。


 新しいことにチャレンジするのなら、まず、基礎の基礎から学び、時間をかけて、少しずつ技能を身に着けていく必要があるが、どういうわけか、初心者ほどレベルの高い内容を先取りしたがる。自分の能力を過大評価しているからなのか、待ちきれないのか分からないが、そういうことをすると、結局失敗して、余計に習得するまで時間がかかる結果になる。


 マラソンの初心者が、いきなりトップレベルの速度で走ろうとしても、走れるわけがない。そんなとんでもない負荷がかかる練習をしたら、ついていけないと思い、すぐにやめてしまうに違いない。まずは、ゆっくりと長い距離を走るところから始め、徐々に距離を長くしていき、最終的に、勝負できるくらいの速度でフルマラソンの距離を走れるようになれば良い。


 勉強でも、量をこなしていない内から、分かったふうを装って、質を高めるのは、時間の無駄になる可能性が高い(と言えるのは、自分がそうだったから……、かもしれない)。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る