第81話 決められている未来
ゲームの世界では未来が決められているが、現実世界では未来は自分で創造できるらしい。概ねその通りだと思うが、しかし、少し視点を変えれば、そんなふうに思えるだけな気がしてくる。
現実世界でも、未来はある程度決まっていることが多い。たとえば、机の上に蜜柑が置かれていたら、自分はそれを食べるか否かを選択できるだけで、その後の未来は二パターンしかない。これはあくまで単純に考えた場合であり、ほかにも、他者にそれをあげたり、冷凍させて給食の味を再現したりなど、できることはほかにも考えられる。言い換えれば、現実世界では未来を決める選択肢の幅が広い、ともいえるだろう。ゲームの世界と異なるのはこの点である。
自分で選択しているつもりでも、実は周囲の環境によってすでに決められていることも多々ある。たとえば、明日までにレポートを提出しなくてはならないのなら、今日どれほどほかにやりたいことがあっても、レポートを書いて提出しなくてはならない。もちろん、それを放棄することもできるが、そうすればあとあと面倒なことになって、最終的には単位を落としかねないので、やはり、書いて提出するしかない、という結論に至り、未来は自動的に一つに絞られる。
このままこの考え方を進めると、予定説に繋がりかねないので、やめておこうと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます