第58話 矛盾は許容可能
何でも通す矛を使って、何も通さない盾を貫いたらどうなるのか、というのが矛盾の説明だが、この問いに対する答えはある。それは、矛は盾を貫き、盾は矛を通さない、というものである。
それでは説明になっていないと言われるかもしれないが、説明にはなっているだろう。きちんと理解できるはずである。理解できないのは、説明そのものではなく、その説明が示す意味内容の方である。つまり、人間は矛盾している説明は理解することができる。もう少し細かくいえば、矛盾していても、それが論理的な形をしていれば理解することができる、ということになる。
これは、無限という概念に関する思考とも似ている。無限に広がる宇宙という現象を理解することはできないが、無限に広がる宇宙をイメージすることはできる。それと同じである。事象を記号化することで、本来理解できないものを人間は理解しようとする。無限という概念と述べたが、概念というものもその中の一つである。概念に実体はないが、それでも人間はそれを理解することができる。
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