第77話 わが青春のマリアンヌ
1955年、フランス、ドイツ合作映画です。
ジュリアン・デュビビエ監督作品だが、ジュリアン・デュビビエといえば、何と言っても「望郷」という方が多いだろう。
私も、あの霧笛の鳴るラストは忘れがたい。
しかしこの作品は私は小学生の頃、たまたまテレビでやっていたのを観て、忘れられなくなってしまった。
忘れられなくなったのには理由がある。
それは物語でも、美しい背景でも、松本零士氏他多くのアーティストに影響を与えたというその内容でもなく、主人公に想いを寄せる少女が、全裸で湖を岸まで泳ぐ、そのシーンと、あとカッコよく言えば幻想的な雰囲気とに感動してしまったのである。
その頃は物語も何も全く理解していなかった。
最近DVDを見て、初めて物語を理解したのだか、簡単に言うと、寮生活を送っている少年たちに幽霊屋敷と言われている対岸の古城に住む、マリアンヌという美少女と出会った主人公の、はかない、幻想的な恋の物語である。
この映画の魅力は何と言ってもその幻想性にあると思う。
恐らくはセットを多用しているのだと思うのだが、モノクロの、美しい山々や湖といった風景は心に残るし、忘れがたい。
主人公と幽霊屋敷のマリアンヌとの恋の顛末はあえて書かないが、多くのアーティストに影響を与えたというし、一見の価値はある映画だと思う。
ちなみに小学生の私を魅了した全裸の少女が湖を泳ぐ場面は今見ても充分美しい。
もうこの歳で、感じ方は子どもの頃のように純粋にとはいかないけれど。
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